低出生率と高齢化は、日本・韓国・台湾に共通の問題

 ここで指摘された3点のうち最初の2つ(少子化および高齢化の着実な進行による消費市場の縮小)は日本と台湾にもあてはまる、きわめて重大な問題である。

 ちなみに、日韓台いずれも現在の政府トップ(安倍晋三首相、朴槿恵<パク・クネ>大統領、蔡英文総統)には子どもがいない。また、韓国と台湾のトップはいずれも独身女性である。

 戦後に高度経済成長を遂げた日本。その後を追って経済が急速に発展し「アジアNIES」「フォードラゴンズ」と呼ばれた4か国・地域に含まれる韓国および台湾。

 だが、「下向きの人口動態」という構造的な要因に加え、経済的な結び付きが強くなった中国の景気減速、主要な稼ぎ手であるIT分野の需要伸び悩みなどから、経済の低迷がこのところ顕著になっている。

 その結果、日本・韓国・台湾の主要政策金利は、異例の低水準まで下がることになった(日本と韓国は過去最低)。日本・韓国・台湾はいずれも、少子高齢化トレンドを背景とする経済成長率の下方シフトをどのように乗り越えるかで試行錯誤している。だが、日本の経験から明らかなように、無理な金融緩和を重ねることは解決策にならない。人口対策をどのように展開するかが、中長期的な経済の下支えを図る上でカギになる。

女性と高齢者の「活躍」で労働力人口増狙う日本

 日本の安倍内閣は、戦略的な外国人(移民)の受け入れという人口対策の「切り札」には手をつけず、女性と高齢者の「活躍」によって労働力人口を増やすことにもっぱら注力しているように見える。だが、これでは人口対策として不十分であるし、問題含みでもある。女性活躍については当コラムで以前に取り上げているので(2014年9月30日配信「結局、女性に『強さ』を求めるだけの日本の少子化対策」ご参照)、ここでは日本の高齢者向け労働市場の厳しい現実を取り上げたい。