65歳以上の労働力人口はこの10年間で240万人も増加した。しかし働き口は限られているのが現実だ。選択の余地はあまりない

韓国と台湾の中央銀行が利下げ

 6月9日、韓国銀行(中央銀行)は金融通貨委員会を開催し、政策金利(ベースレート)を0.25%ポイント引き下げて1.25%とすることを決定した。利下げは1年ぶりで、過去最低を更新。対外公表文は、輸出の減少、消費の弱まり、センチメントの停滞などに言及している。穏当な成長トレンドを予測しつつも、内外情勢から下振れリスクが高まったと判断した。

 その後、6月30日には台湾中央銀行が政策金利(公定歩合)を0.125%ポイント引き下げて1.375%とした。利下げは4四半期連続。必要があれば「リーマンショック」後の局面で記録した過去最低水準である1.25%へのさらなる利下げも辞さない構えとみられる。今年1月の日銀によるマイナス金利導入(一種の利下げ)から半年以内に、地理的に近い韓国と台湾が利下げで追随した形になった<図1>。

■図1:日本・韓国・台湾の主要政策金利
注: 月末値。日本は、量的緩和期(2001年3月~2006年3月)はゼロ金利とみなし、包括緩和期(2010年10月~2013年4月)の翌日物金利誘導レンジ「0~0.1%程度」は0.1%とみなし、量的・質的金融緩和期(2013年4月~2016年2月)も0.1%とみなし、マイナス金利付き量的・質的金融緩和期(2016年2月~)は政策金利残高に適用される▲0.1%とした。韓国は政策金利(ベースレート)。台湾は政策金利(公定歩合)。
(出所)日本銀行、韓国銀行、台湾中央銀行

 韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は記者会見で「企業の構造調整が実体経済などに与える悪影響を和らげておく必要がある」と説明。決定は全員一致だったことを明らかにした。李総裁はその後、「国内外の経済状況を踏まえると、韓国経済が早期に低成長、低インフレから脱却するのは難しいだろう」と述べつつ、国内については低水準の出生率、高齢化、家計債務の増大などが消費の回復を妨げているとした。