若年層から出てきたこうしたアイディアに厳しさ、さらには冷たい視線さえ筆者が感じたのは、「人は何のために働くのだろうか」「健康寿命の間はひたすら働き続ける人生が本当によいのだろうか」「そういう人生が楽しいと思える人は多数派なのだろうか」といった、素朴な疑問を抱くからである。

働きづめの人生は幸せか?

 率直に言うと、自分の父親がそうだったような働きづめの人生には、筆者は全く魅力を感じない。働くことそのものに人生の大きな意義を見出してきた人は、団塊の世代などではそれなりに多いのかもしれない。だが、筆者は好奇心の塊のような人間であり、もともと多趣味ということもあって、引退したら健康なうちにいろいろなことをやりたいという欲求が非常に強い。悲しいことに膨らむ一方の子どもの教育費などを支払っても十分おつりがくるだけのお金をなんとか稼いで、自分の老後の自由な生活を少しでも楽しいものにする原資を得るために、心身ともに極度に疲弊している時でも必死に耐えながら、自分の仕事に日々全力を注いでいるわけである。

 働く目的について筆者がきわめて例外的な考え方の持ち主ではないことを示すため、ここで内閣府の「国民生活に関する世論調査」から、人々がなぜ働いているのかの調査結果を見ておきたい。

働く目的は何ですか? 「お金を得るために働く」が最多

 2016年6月23日~7月10日に実施された最新の調査結果で、「あなたが、働く目的は何ですか。あなたの考え方に近いものをこの中から1つお答えください」という問いに対する回答では、「お金を得るために働く」が最も多く、半数を超えた(53.2%)。むろん、働いて手にしたお金の使途はケースバイケースなのだが、筆者もこのグループに属している。

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