
大企業と中堅企業の景況感に格差
規模の大小に注目して企業の景況感を示す数字を見ると、大企業の好況が中小企業以下へと波及していく「トリクルダウン」は起こっておらず、水準の「住み分け」が固定化していることがわかる。具体的に見てみよう。
大企業と中堅企業の景況感を示す数字として、ここでは日銀短観の業況判断DI(回答比率「良い」-「悪い」)を取り上げた<■図1>。
大企業は2014年3月(+21)が直近ピークで、その後は2017年3月まで+12~+19のレンジ内に収まっている。大まかに言うと、ここ数年は+10台が大企業の水準である。
中堅企業は2017年3月(+15)が直近ピークで、その前は2014年3月から2016年12月まで+6~+14のレンジ内に収まっていた。大まかに言うと、ここ数年は+10前後が中堅企業の水準になっている。
中小企業の景況感を示す数字は多数あるが、方向ではなく水準を示しているものとしてここで取り上げたいのは、①日銀短観の業況判断DI、②中小企業庁の業況判断DI(今期の水準)、③中小企業家同友会全国協議会の同友会景況調査報告(DOR)の業況水準DI、以上3つである(①~③のいずれも回答比率「良い」-「悪い」で算出される)<■図2>。
①は、2014年3月(+7)が直近ピークで、その後は▲1~+5のレンジ内で推移している。
②は、2015年10-12月期の▲22.9が直近ピーク。その後は▲27~▲29前後で推移中。
③は、2013年10-12月期の+13.5が直近ピーク。その後は▲7.5~+10のレンジである。
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