日本銀行による「マイナス金利」政策導入から3カ月半が過ぎた。銀行など金融機関では、金利低下の長期化による運用難への懸念が増している。この実験的な政策が今後どのくらい継続するのか、さらには継続の影響について今回は考察する。
日本銀行の黒田東彦総裁(写真:ロイター/アフロ)

日本の金融機関はどこまで耐えられるか

 2018年9月に満了する安倍晋三首相の自民党総裁任期が、東京五輪開催期間を含むように仮に2年ほど特例で延長されることを前提にすれば、日銀が実施している「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」とそれに伴う機関投資家の「究極の運用難」は、少なくともあと4年以上は続いていくと見込まれる。

 貸出金利と有価証券運用利回りの両面から、収益に対する縮小圧力が中期的に及び続けるという厳しい状況に、日本の金融機関はどこまで耐えられるのだろうか。

 マイナス金利や量的緩和が長期化すると筆者が予想している理由を、Q&A方式で説明してみよう。

2%の物価目標を持続的に達成するのは不可能

Q:マイナス金利は長期化せざるを得ないとみる理由は何か。

A:マイナス金利が量的・質的金融緩和と別枠ではなく、セットで「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」という形にされ、全体が「物価安定の目標」2%達成の有無とリンクしている点が重要である。

 グローバル化やIT化といった構造変化ゆえに、米欧でも達成が困難になっている2%水準の物価目標を、潜在成長率がきわめて低い日本が持続的に達成するのは不可能に近い。したがって、この実験的な緩和は事実上、「エンドレス」になっている。

 物価上昇による正面からの「出口」到来は考えにくく、「政治的な出口」しか想定できない。すなわち、リフレ派の見解を強く支持している安倍氏の次の首相が、日銀の実験的金融緩和が経済・金融システムにもたらしている弊害や副作用(特に、「血液循環」を司る金融機関の収益を中期的に過度に圧迫することによる地方経済への悪影響)に注目し、金融緩和路線の部分的な修正を日銀に迫るシナリオがそれである。量的・質的金融緩和から切り離してマイナス金利だけを解除する手法が想定される。

 誰が「ポスト安倍」になるのかが、市場関係者にとって、きわめて大きな関心事となる。