その間、石破氏は、岸田派(47人)が4月19日に公表した「持続可能性」などを前面に出した政策集骨子について、「似たような方向になっている」と述べた。石破派は20人と数が少ないため、党総裁選に向けて他の派閥と連携していく必要がある。

 上記の発言により、石破氏は岸田派に秋波を送ったと受け止められている。4月25日夜には岸田氏、石破氏ら1957年生まれの4人の自民党の政治家が会食した。自民党総裁選をにらんだ意見交換があったのではないかという憶測を呼んでいる。

 安倍首相が9月の党総裁選で3選を果たし、21年秋にかけて長期政権を築く確率について、筆者は以前には80%以上とみていたが、各種世論調査の結果などを踏まえて、4月中旬から65%に引き下げている。

見通しは「ネガティブ」

 既に述べたように主流3派の安倍首相支持が不変であること、世論調査で支持率の底割れが(まだ)起きていないことから、50%未満の数字になる情勢ではないと判断される。ただし、格付けの用語で言えば、アウトルック(見通し)は現時点では「ネガティブ」(方向性が下向き)とせざるを得ない。情勢次第では50%ラインに接近するかもしれない。

格付けの話になったので、ここからは19年10月に予定されている8%から10%への消費税率引き上げを首相が政治判断で先送りしても、海外の有力格付会社2社は日本国債の格付けをおそらく引き下げないだろうと予想される点について説明したい。

 決裁文書改ざん、セクハラ疑惑発覚とそれへの対処法の拙さという不祥事に直撃されたことで、財務省の信認が目立って低下しており、同省が推し進める財政健全化に「黄信号」が点灯したという声を聞く機会が増えている。

 3月13日という早い時点で、「消費税増税に狂いも 財務省、信頼失う」と題した記事を共同通信が配信していた。財務省は「決裁文書改ざん問題で国民の信頼を失った」と、この記事は断言。「消費税増税や財政健全化など同省が主導してきた経済財政運営に狂いが生じる恐れもありそうだ」「歳出拡大を求める声は根強い。批判を浴びる財務省がこうした圧力を抑え込めるか不透明だ」「国民に痛みを強いる増税を予定通り実施することに今後、慎重論が強まる可能性もある。財務省は自らの失態で3度目の延期リスクに直面した」という、財務省・財政健全化にとって実に厳しい文章が並んだ。

 その後、筆者にとっては全く予想外のタイミングで、海外の有力格付会社が日本国債の格付け見通しを引き上げた(念のために言うと、引き下げた、のミスタイプではない)。