米海軍のスウィフト太平洋艦隊司令官は4月6日のインタビューで、米国の対北朝鮮政策について、外交的・経済的な手段では期待したような成果が出なかったと言明。北朝鮮に先制攻撃をするかどうかはトランプ大統領の判断次第だとした。

 4月8日には、シンガポールを出港した米原子力空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群が南下する予定を変更して北方に向かったことが明らかになった。トランプ大統領は「無敵艦隊」だと形容し、北朝鮮を強くけん制した。

日本が戦闘に巻き込まれる懸念も

 ティラーソン国務長官は4月9日のテレビ出演で、シリアに対する米国のミサイル攻撃に関連して、「国際合意に違反し他国の脅威になれば対抗措置を受けるというメッセージだ」と述べて、国連決議に違反する核開発を続ける北朝鮮に警告を発した。ただし、米国の目的はあくまで朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮の体制転換ではないと述べた上で、米国が金正恩委員長暗殺を1つの選択肢として検討しているとの報道については「そうした計画は把握していない」と否定した。

 こうした米国による軍事的威圧に対し、激しい言葉づかいで北朝鮮は反発している。

 日本政府の動きはどうか。共同通信によると、北朝鮮封じ込めも意識したとみられる米軍のシリア攻撃について政府筋は「米国を敵視する北朝鮮に衝撃を与えたはずだ。日米同盟の抑止力は高まった」と判断しているが、米国や日本が描く筋書き通りに北朝鮮が米国の力に屈するかどうか見極めきれない点が問題で、圧力が裏目に出て金正恩委員長の理性を欠いた自暴自棄の行動を誘発する可能性もあると分析している。政府内には米国が本当に対北朝鮮軍事行動に踏み切れば日本が戦闘に巻き込まれるとの懸念も漂っているという。

「重大な挑発を仕掛ける可能性もある」

 ドル/円相場は筆者が予想していた通り、110円さらには109円を割り込む円高ドル安になった。平壌では4月11日、北朝鮮の国会にあたる最高人民会議の第13期第5回会議が開催された。この日は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が当時の党の最高職位だった第1書記に就任してから5年にあたる日でもあったのだが、目新しい動きはなかった。韓国の黄教安(ファン・ギョアン)大統領代行(首相)は同日、北朝鮮が「さまざまな記念日に合わせ、追加核実験をはじめ、重大な挑発を仕掛ける可能性もある」として、一層の警戒を指示した。その後、さまざまな動きが日々伝えられており、市場でも緊張が高まっている。