オバマケア改廃法案の撤回に追い込まれ、トランプ米大統領の手腕に疑問を感じる米国民が増加、支持率が下落している。(写真:ロイター/アフロ)

期待感は薄れ失望へと変わりつつある

 1月20日に行われた就任式から、マスコミなどとのハネムーン期間とされる100日が経たないうちに、トランプ米大統領への期待感が薄れて失望へと変わりつつあるという報道が内外で相次いでいる。筆者が提示してきたシナリオに沿った動きである。

 この常識破りの大富豪が選挙公約をそのまま実現して米国経済の成長率を一段高く持ち上げることが本当に可能なのかどうかで2つに分かれていた市場の見方、やや大胆な表現をすると「トランプ大統領は『ほんもの』か、それとも『にせもの』か」という論争には、最優先課題に設定してきた「オバマケア」の改廃(撤廃および代替策の実行)に明確に失敗したことにより、「にせもの」説の勝利ということで、ほぼ決着がついたのではないか。

 「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)離脱などトランプ氏の署名で済む大統領令ではなく、法案可決が必要だったオバマケア見直しは、政権運営の行方を占う試金石でもあった」ものの、下院で過半数の票を確保するのに失敗し「入国禁止の移民政策に続く目玉政策の頓挫」となったため「政権には大きな打撃」で「求心力低下が進む可能性もある」(3月26日 毎日新聞)といった報道が、いくつも出ている。

共和党内の保守強硬派が反対姿勢を崩さず

 野党民主党に加えて共和党内の保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議員連盟)」が反対姿勢を崩さず可決の見通しが立たないため、ライアン下院議長が法案を取り下げて採決を回避し、「オバマケア」は存続することになった。

 下院共和党内には一部で「オバマケア」改廃法案の復活を模索する動きがある。だが、ライアン議長が4月4日にそうした取り組みは現時点では「概念的な段階」に過ぎないと形容するなど、これが具体的に前に進んでいく兆候はない。