実績作りと土台作りがまず重要

 英フィナンシャル・タイムズが3月27日に報じた1935年以降についての調査結果によると、ニューヨーク連銀は実は、これまで女性や有色人種が総裁になったことが一度もない6つの地区連邦準備銀行のうちの1つなのだという。

 また、同紙が3月31日・4月1日付で報じたところによると、2020年の次回大統領選の候補者になり得るとみられている民主党の有力女性上院議員2人、エリザベス・ウォーレン氏とカーステン・ギリブランド氏が、ニューヨーク連銀総裁にウィリアムズ氏を起用することに疑義を唱えている。

 中央銀行のトップ層には、高度な専門知識・コミュニケーション能力・実務経験など、相応のレベルの資質が求められる。したがって、有資格者の数は自ずと限られる可能性が高い。候補としてリストアップされた人々の中に女性の数が最初から少なければ、女性比率が低くなっても仕方がない面があるとも言える。

 しかし、その一方で、男性優位というような古い観念を打破しつつ女性の登用を積極的かつ迅速に進めていくには、「実績作り」「土台作り」がまず重要であり、資質や経験の面で男性の候補者よりも客観的に見てやや低い評価になってしまう場合でも女性の方を選ぶべきで、仮に足りない部分があれば男性の部下のサポートで補えばよいという考え方も、十分成り立つように思う。

 結局のところ、これら2つのアプローチのうちいずれを選ぶか、あるいはどういうバランスをとるかは、中央銀行のトップ層の場合は、指名する権利を有する人ないし組織の腹積もり次第である。そして、その選択が良かったのか、そうでもなかったのかは、かなり長い時間を経てから、他国との比較も交えて評価を受けることになるのだろう。