米ホワイトハウスで3月22日、中国製品の輸入に関税の制裁措置をかける大統領令に署名したトランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)

米トランプ政権の動きにより、金融市場は大荒れの展開

 3月22~23日の金融市場は、米トランプ政権の動きを材料に大荒れの展開になった。22日の米国に続いて23日の日本でも株価が急落し、日経平均株価は2万1千円割れ。ドル/円相場は104円台に沈んだ。そして23日の米国株は続急落。中国が知的財産権を侵害しているとして通商法301条に基づく制裁措置(500~600億ドル規模の中国製品を対象とする関税)を盛り込んだ大統領令に22日署名したトランプ大統領は、中国企業による対米投資規制強化策の検討も指示した。また、これより前に決定済みだった通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミニウム製品への新たな関税が23日に発動されたが、適用除外となる国・地域のリストに中国および日本は入らなかった。これに対し中国商務省は23日、最大30億ドルの米国からの輸入品を対象に対抗措置を講じる計画を明らかにした。

 トランプ大統領はこのタイミングで、ゴルフ仲間で親密な関係だと思われていた安倍首相に関し、驚くほど辛辣なコメントを発した。3月22日にホワイトハウスで開催された会合で大統領は、「安倍首相と話をすると、ほほ笑んでいる。『こんなに長い間、米国を出し抜くことができたとは信じられない』という笑みだ」と述べて、米国の対日貿易赤字への強い不満を表明。安倍首相は「偉大な男で、私の友人」だとしつつも、「こういった時代はもう終わりだ」と述べて、より米国に有利な通商関係を日本に求めていく考えを示した。

11月に行われる中間選挙を念頭に置いた政策

 こうした保護主義を前面に出した政策は、「ラストベルト」に数多く存在するトランプ支持者に対して実績や行動力をアピールすることを通じて、11月に行われる中間選挙で共和党の議席減を最小限にとどめようとする狙いから展開されている可能性が高い。