安倍首相は1月20日の施政方針演説で、「誰もが希望すれば、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければならない」と訴えた(写真:Motoo Naka/アフロ)

「教育国債」構想が自民党内で浮上

 使途を教育に限定した「教育国債」構想が自民党内で文教族を中心に浮上しており、プロジェクトチーム(PT)が5月の大型連休明けをめどに提言をまとめるという。公明党もPT設置を決定。野党である民進党にも「子ども国債」という同様のアイデアがある。

 ことの発端は、安倍首相が1月20日の施政方針演説で、「誰もが希望すれば、高校にも、専修学校、大学にも進学できる環境を整えなければなりません」と述べたことだとされている。日本維新の会が憲法改正による教育の無償化を主張していることをにらみ、憲法改正論議を加速させようとする狙いも、自民党内のそうした動きには含まれているという。

「教育国債」は赤字国債の一類型にすぎない

 だが、財政法第4条が規定しているのは、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」ということ。これに当てはまらない(建設国債ではない)以上、「教育国債」という名前の新しい国債は結局のところ、赤字国債の一類型にすぎないことになる。大規模な長期国債買い入れによって日銀が長期金利を需給面から低位に押さえ込んでいるため、債券市場の健全な価格形成機能が損なわれており、「悪い金利上昇」という財政への警告シグナルが出てこない。そうした中で財政規律が緩んでいることが、こうした構想の浮上によって、間接的に示されていると言えるだろう。