現在、「働き方改革」の最大のテーマは、残業時間の法定上限見直しだ。しかし本来は、「少子化対策や女性の社会進出の推進」「非正規雇用の待遇改善」ほか、改革のポイントは多岐にわたるはずである。(写真:PIXTA)

 安倍内閣は現在、成長戦略の重要な柱の一つとして、国民の多くにとり身近なテーマである「働き方改革」に注力している。

 ややトリビアめいてしまうが、この「働き方改革」という言葉が全国紙に初めて登場したのは今から13年半ほど前、2003年11月中旬のことである。4道府県(北海道・千葉・大阪・熊本)の女性知事が国に対し、男女共同参画に向けた働き方改革などを提言した時だった。そもそもは、女性の視点から出てきたスローガンだったわけである。

元々は「ホワイトカラー・エグゼンプション」がテーマだった

 しかし、その3~4年後の「働き方改革」の議論において焦点になったのは、会社員の一部を労働時間規制から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション」を労働基準法の改正で実現させるかどうかだった。今度は企業経営者の側から、ホワイトカラーの労働時間規制はもはや実態に合わなくなっているから改革(法改正)が必要だという主張が展開されたわけである。

 働いた時間の長さではなく、働いたことによる成果の有無・大小で、労働の価値を判断して給料を支払う。この考え方は、ホワイトカラーの場合は合理性がある。なぜなら、ただ単純に時間と比例して残業代を払う場合、仕事を進めるペースをあえて落としてより長い時間働くことによって受け取るお金を増やそうというインセンティブが働いてしまうからである。生産性の高い働き方を実行した人は、より少ない労働時間で従来と同じ給与を受け取ることができる(はずである)。その場合、増えた余暇をさまざまな活動にあてることができ、「ワークライフバランス」改善にもつながってくる。