為替設定、「110円と105円で悩む国内企業」

 ロイター通信は2月27日、「〔円高と業績(上)〕難しい2018年度為替設定、110円と105円で悩む国内企業」という題名の記事を配信した。それによると、2018年度の為替レート想定をどうするかという問題で企業は悩んでおり、「110円派」と「105円派」がいるという。企業の財務担当者の心理をビビッドに伝えており参考になるので、興味深い部分を引用したい。

【110円派】

 「『2019年3月期の予算編成はほぼ最終段階だが、今のところ1ドル110円を前提にしている。今後105円に近いところで定着したら(業績的に)かなりつらいことになる』──。ある機械メーカーの首脳はこう漏らす」

 「同首脳は『3月以降も現行水準の106~107円が続けば、想定レートは変更せざるを得なくなる』と顔を曇らせる。5円分の円高設定は業績見通しを押し下げる要因となる」

 「早い段階で来期の社内レートを110円に設定し、すでに計画を動かし始めている企業もある。その自動車部品メーカーの幹部は『105円を超えて円高が進むと計画が成立しなくなるが、今じたばたしても仕方がない』と泰然。来期の業績予想を発表するまでに円高が進んでいれば『修正した数字を公表するだけ』と淡々とした口調だ」

【105円派】

 「一方、2017年度の想定レートを期初から105円で据え置いてきた企業からは、予想通りになったとの声も出ている。ある在阪の部品メーカー首脳は『トランプ政権とドルの先行き不透明さを感じていた中で円高リスクを意識していた。本当は103円にしたかったが、〔倒産(103=とうさん)〕と語呂が悪いので止めた』と話す」

 「ただ、来期に一段と円高が進み、100円を割り込んでいくかといえば、そうはみていない。『100円は悲観的過ぎ。そこまで不安定要素があるとは思えない。ドルはいったん105円が底になるのではないか』との見方を示す」

2018年度の為替レート想定をどうするかという問題で企業は悩んでいる。「110円派」と「105円派」がいるという。

見通しはあえて保守的にしておき、後で上方修正

 この記事には、「企業の多くは、次年度の想定為替レートを厳しめに設定しがちとされる。楽観的な見通しをベースにした業績計画を公表し、後から下方修正するのは避けたいという心理が働くとみられている」という記述もある。期初の見通しはあえて保守的にしておき、後で上方修正できる余地を確保しておくというのは、確かによく聞かれる話である。

 記事の最後は、「3月期決算の企業は、5月の大型連休前後に2017年度の決算と2018年度の業績見通しを公表する。それまで担当者は、神経質に為替相場をにらむことになりそうだ」という文章で締めくくられている。

 エコノミストが重視する日銀短観ベースでは、4月2日に概要が公表される3月調査および7月2日に公表される6月調査から、「110円派」vs.「105円派」の綱引きがどのように決着したかをうかがい知ることになる。