スマートフォン関連の3品目(「アクティブ型液晶素子(中・小型)」「モス型半導体集積回路(メモリ)」「モス型半導体集積回路(CCD)」)は、1月は総じてさえない動きになった。特に、「モス型半導体集積回路(メモリ)」の生産減少幅の大きさが目立つ。在庫率が上昇してきており、少なくとも当面は減産が続くと見込まれる。

 輸出・生産主導の国内景気加速をけん引してきた主役である電子部品が失速することは、景気全体に対して相応にネガティブな影響を及ぼす。また、輸出関連のもう1つの主役である輸送機械工業の生産も、米自動車市場の減速などから動きが悪くなっている。

円高の急進行は、最も懸念される悪材料の1つ

 さらに、上記よりもはるかに注意していくべき当面の景気の悪材料が、為替の円高急進行である。

 1月8日に一時113.37円までつけていたドル/円相場だが、賃金・雇用の抑制状況の持続性への疑念が強まって米国債が売り込まれ、米国株が急落すると、2月16日に一時105.55円まで円高ドル安が進む波乱の展開。その後は106~107円台中心のもみ合いになったが、トランプ大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置発動方針を表明したことや、黒田日銀総裁の国会での発言が一部で曲解されて伝わったことなどから、3月2日には一時105.24円をつけた。こうした対ドルを中心とする円高進行は、当然のことながら、次の年度(2018年度)の企業の収益計画に下押し圧力を及ぼす。

 2017年12月の日銀短観で、2017年度の事業計画の前提になっている想定為替レート〔ドル/円〕(大企業・製造業)は110.18円(上期110.69円・下期109.66円)だった<■図1>。企業は市場実勢にらみで、2018年度の為替相場の想定を2017年度よりも円高方向にシフトせざるを得ない。

■図1:日銀短観 事業計画の前提となっている想定為替レート〔ドル/円〕(大企業・製造業)
(出所)日銀