暗雲が立ち込めてきた…。(写真:坂本照/アフロ)

好調だった日本の景気が「踊り場」に…

 電子部品などの輸出・生産増加を大きな原動力にしてこのところ好調に推移してきた日本の景気はどうやら、筆者が予想してきた通り「踊り場」に足を踏み入れようとしている。

 2月28日に経済産業省から発表された1月の鉱工業生産速報で、生産は急減して前月比▲6.6%になった。4か月ぶりの減少で、市場予想比大幅下振れ。出荷は同▲5.6%、在庫は同▲0.6%で、在庫率指数(2010年=100)は113.8(同+3.0%)に上昇。出荷と在庫のバランスは悪化した。

 また、同時に発表された製造工業生産予測指数は、2月が前月比+9.0%(予測修正率は▲0.7%)、3月が同▲2.7%。これらを用いて1-3月期の鉱工業生産を試算すると、前期比はわずかにプラス(+0.2%)になる。だが、実際には8四半期ぶりに前期比マイナスになる可能性が高そうである。経済産業省が製造工業生産予測指数の結果に含まれる予測誤差について加工を行った上で鉱工業生産の先行きを試算した値(季調済前月比)の2月分は同+3.6~+5.7%、最も可能性の高い値(最頻値)は同+4.7%で、上記の同+9.0%の半分程度の伸びである。こうした状況をにらみ、経済産業省は鉱工業生産の基調判断を「緩やかな持ち直し」に引き下げた。

カギ握る「電子部品・デバイス工業」の指標も悪化

 景気の当面の動向でカギを握っているとみて筆者が毎月チェックしている「電子部品・デバイス工業」では、状況が明確に悪化してきた。1月の生産は前月比▲6.3%(3か月ぶり減)、出荷は同▲7.5%(4か月ぶり減)、在庫は同▲1.2%(2か月連続減)。在庫率指数は109.7(前月比▲16.0%)で、下がったものの高めの水準にある。生産予測指数は、2月が前月比+16.0%だが、予測修正率は▲7.1%という大幅なマイナス、3月が同▲10.8%である。米アップル社のスマートフォン人気シリーズの最新機種「iPhoneX」の生産計画が大幅に下方修正された影響などが、2月の予測修正率の大幅マイナスに出ていると考えられる。予測指数を用いて試算すると、1-3月期のこの業種の生産は前期比▲1.3%。四半期ベースで減少すれば、2017年10-12月期(同▲0.2%)に続いて2四半期連続になる。

「iPhoneX」の生産計画が大幅に下方修正された影響もあり…。(写真:adrianhancu/123RF)