現在の日銀からすれば“夢”のような物価上昇率

 人々のインフレ期待がなかなか上がってこないことに苦悩している現在の日銀からすれば、上記の調査結果の数字は(表面的には)夢のような数字の並びだろう。だが、庶民は当時、物価高で苦しんでおり、暮らし向きがあまり楽になってはいなかった。やみくもな物価上昇志向は、やはりよくない。上記の調査で、政府に対する要望(複数回答)で最も回答が集まったのは、「物価引下げなど生活の安定」(48.9%)だった。

 もっとも、国民全体(マクロ)の生活の水準については良くなったという評価が大勢で、自分の生活程度(ミクロ)が今後どうなるかについても基本強気の見通しが示されていた。

 「あなたの生活は別として、国民一般の生活水準は戦前とくらべて、高くなったと思いますか、低くなったと思いますか、同じようなものだと思いますか」というマクロ的な視点からの生活水準に関する問いへの回答分布は、「高くなった」(75.9%)、「同じようなもの」(8.6%)、「低くなった」(3.1%)、不明(12.4%)。生活水準は戦前より高くなったと約4分の3が回答した。

生活はよくなるという楽観論が、過半数を占めていた

 そして、「これから先はどうでしょうか。国民一般の生活水準はよくなって行くと思いますか、悪くなって行くと思いますか、同じようなものだと思いますか」という問いへの回答分布は、「よくなる」(51.0%)、「同じようなもの」(22.3%)、「悪くなる」(6.0%)、不明(20.7%)。生活水準はよくなるだろうという楽観論が、過半数を占めていた。

 ミクロについての同様の質問でも、楽観論が優勢。「今後のお宅の生活程度」についての質問への回答分布は、「よくなる」(25.0%)、「同じようなもの」(52.5%)、「悪くなる」(10.1%)、不明(12.4%)。「よくなる」が「悪くなる」の2倍以上になった。

 ちなみに、直近の調査結果(2017年度)では、今後の生活が「良くなっていく」(9.4%)、「同じようなもの」(65.2%)、「悪くなっていく」(23.1%)という回答分布になっており、悲観論が優勢である。そしてこれを世代別に見ると、若年層ほど「良くなっていく」が多く(18~29歳で26.4%の一方、80歳以上では1.5%)、「悪くなっていく」が少ない(18~29歳で6.1%の一方、80歳以上では24.3%)という特徴がある。