(写真:ロイター/アフロ)

 日銀がマイナス金利を導入したことにより、銀行・信用金庫や生命保険会社など国内の機関投資家の運用難は、格段に厳しいものになった。預金の多くをマイナス金利にはできない一方で、競争激化から貸し出しの金利はさらなる低下が避けられず、国債などによる余剰資金の運用利回りもどんどん下がっている。

 ベースの収益が細り続けると、いったい何が起きるだろうか。金融システムが円滑に作動しなくなるリスクは小さくない。

 ここで出てきた「運用難」という言葉が債券市場で聞かれ始めたのは、1990年代の半ばだったと記憶している。それから20年ほどの月日が経過した今日、円の金利水準は「虫眼鏡の世界」、さらには未踏の領域である「マイナスの世界」へと、足を踏み入れた。

「景気減速の前触れとは全然思わない」

 そういった重苦しい雰囲気の中で、ほっと一息つくことができるネタをしばしば提供してくれるのが、「俺たちの太郎」こと麻生太郎財務相の発言である。

 長期金利に関連した「麻生節」は、当コラムで以前に一度ご紹介したことがある(2014年6月24日配信「麻生節炸裂! 長期金利の謎を解く『オレ様の経済学』!?」参照)。ここでは、最近の閣議後記者会見の中で飛び出した発言を、時事通信の詳報からいくつか紹介したい。

◆1月29日 ~ 原油安を引き合いに出しながら「景気減速の前触れとは全然思わない」

(この日の朝方に発表された鉱工業生産速報が前月比▲1.4%、家計調査・実質消費支出が前年同月比▲4.4%になるなど、生産や消費が停滞していることを示すような数字が相次いでいるが、これらの指標は景気減速の前触れとはとらえられないか、との問いに)

「全然思いませんね。雇用統計やら失業率やら、みんな順調に上向いているし、少なくとも経済で見れば、石油が(1バレル当たり)110ドルから30ドル切る…。きょう、いくらになった。28ドルくらいになったか。28ドルぐらいになったか、ドバイは。いくらになっている、きょう」