為替相場は当面、円高ドル安基調で推移するか?(画像:PIXTA)

株価急落前、投資家たちはあまりに無防備だった

 年明け後1月末ごろまで米国株は堅調に推移し、ニューヨークダウ工業株30種平均など主要指数は史上最高値を次々と塗り替えた。おそらく3月あたり、遅くとも年央までに長短金利逆転という景気後退のシグナルが灯ることなど何らかのきっかけで米国株は急落し、新任のパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長はその危機管理の巧拙を試されるだろうと昨年末から予想していた筆者も、「カネあまり」を足場にした株価上昇のあまりの勢いの強さには、さすがに目を見張った。

 だが、そうした中で筆者が非常に気になっていたのは、1月10日の米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が1面の下方に掲載した記事、「投資家は株価下落に備えた盾を放棄(Investors Drop Shields Against Stock Downturns)」だった。それによると、株価の上昇が長く続いておりボラティリティー(相場変動率)が記録的な低水準にある中、代金を支払ってプットオプション(ある価格水準で売る権利)を手にするなど、株価の下落に備えたヘッジを行うのは金銭の浪費だと多くの投資家は判断するようになった。

 WSJのデータによると、主要株価指数の1つであり、年金基金などが運用のベンチマークに用いることが多いS&P500種株価指数は、記事の時点まで386営業日にわたって5%以上の下落が見られておらず、これは1996年以来の記録だという。しかし、より多くの投資家が防衛的なポジションを作らなくなることの累積効果それ自体がボラティリティーの源になるのを市場関係者の一部は心配していると、同紙は抜かりなく書いた。なぜなら、先物やオプションなどでヘッジがかけられていない「丸裸」の状態だと、予期せぬ株価下落に直面した投資家の多くがあわてて一斉にポジションの解消や損失確定を急ぐことになってしまい、下落に拍車がかかりかねないからである。2月に実際に起こったのは、まさにそういうことだった。

今の日本株には、強みと弱みが1つずつある

 ニューヨークダウの年初来ザラ場高値は2万6616.71ドル(1月26日)で、安値は2万3360.29ドル(2月9日)。ピークからの下落率は12.2%。そして、米国発の株価下落が波及した日本では、日経平均株価の年初来ザラ場高値が2万4129.34円(1月23日)で、安値が2万950.15円(2月14日)。ピークからの下落率は13.2%。米国と似たような数字だが、今の日本株には米国株と比べた場合、強みと弱みが1つずつあることに留意したい。