世界経済に日はいつ昇るのか

 昨年から今年に持ち越した「3つのリスク」(①中国経済不安、②下げ止まらない原油価格、③米利上げ後の新興国を含むマネーフロー変調)のうち、③は、米国の利上げに打ち止め感が出れば、とりあえず歯止めがかかるリスクと言える。

 だが、残りの2つはかなりの難物だと筆者はみている。年明け以降の市場で大きな不安材料になり続けている①と②をスピーディーに消し去ることができ、しかも現実味のある解決策は、筆者には思い当たらない。

 まず、①中国経済不安は、昨年夏~秋の局面よりもはるかに事態は深刻であり、中央政府が財政政策を用いて景気を刺激すれば市場の不安心理が沈静化する、というような生易しいものではなくなっている。

「不安」から「不信」へ

 市場のセンチメントは、「不安」と形容されるレベルから、中国当局による経済政策運営や人民元という通貨そのものに対する「不信」「信頼感の喪失」へと、悪い方向に一段シフトした。最近出てきた中国問題関連の要人発言などをいくつか挙げた上で、筆者のコメントを加えてみたい。

◆マルコ・ルビオ米上院議員(共和党の大統領候補指名争いで3位につけている有望株)
「中国が国内で深刻な危機に面している。バブル経済には、別のバブルで埋め合わせをしてきたが、ついに危機がやってきた」(2016年1月7日)

~ この見方に筆者も賛同する。「リーマンショック」後の危機局面で大規模な景気刺激策を実施したことが、不動産バブルを膨らませた。これが崩壊したものの、抜本的な政策対応を怠り続けた結果、政策面で手詰まり感が強くなり、市場の不安感のみならず不信感をも招いている。

◆中国の銀行不良債権、2015年の増加幅は前年の倍以上(2016年1月12日 ロイター)

「中国の銀行が抱える不良債権の2015年の増加幅は前年の倍以上となった。匿名の関係者2人がロイターに明らかにした」
「関係者によると、2015年の不良債権の総額は1兆9500億元(2968億ドル)」
「2014年の不良債権は2574億元(391億9000万ドル)増の1兆4300億元であったため、15年の増加幅は5000億元以上とみられる」
「銀行業監督管理委員会はロイターのコメントの求めに応じていない」

~ 日本の経験からすると、不良債権問題を解消するための切り札は、「徹底したディスクロージャー(情報開示)」と「公的資金の大規模な投入」の2つである。だが、中国の当局はいずれにもまだ取り組んでいない。そうした実情をあらためて確認できる報道である。