にもかかわらず「雇用環境」の数値の伸び悩みはなぜか

 ただし、消費者態度指数を構成する意識指標4つのリバウンド度合いを見ると、2か月連続で低下する前の9月の水準を超えたのが、「収入の増え方」と「耐久消費財の買い時判断」の2つ。9月の水準と横並びになったのが、「暮らし向き」。残る「雇用環境」は45.7(前月比+3.2ポイント)で、上昇はしたものの、9月の水準である46.2には唯一届かなかった<図1>。これはなぜだろうか。

■図1:消費者意識指標(季節調整値) 「雇用環境」「収入の増え方」
(出所)内閣府

 景気のベクトルは足元で上向いており、多くの消費者が自分の置かれた雇用環境についてにわかに不安を強めるようなことは考えにくい。完全失業率は3%前後まで水準を切り下げている。有効求人倍率は昨年11月まで3か月連続上昇し、1.41倍という1991年7月以来の記録的な高水準である。

自分の雇用環境についての不安はわずかに薄れた

 また、日銀が四半期ごとに行っている、生活者の意識や行動を大まかに聴取する一種の世論調査である「生活意識に関するアンケート調査」の2016年12月分(調査期間:11月10日~12月6日)が1月13日に発表されたので、内容をチェックすると、「これから1年後を見たとき、あなた(またはご家族)は、勤め先での雇用・処遇(給与、ポスト、福利厚生など)に不安を感じますか」という設問がある。回答分布は、「あまり感じない」(19.4%)、「少し感じる」(48.5%)、「かなり感じる」(29.8%)だった。9月に実施された前回調査結果(それぞれ17.5%、49.0%、31.4%)と比べると、雇用・処遇への不安を「あまり感じない」人が3か月前から1.9%ポイント増える一方、感じる人は2.1%ポイント減少した。回答者を勤労者のみ、すなわち会社員・公務員(会社役員を含む)およびパート・アルバイトなどだけに絞ったデータを見ても、傾向は同じである(感じない人が2.6%ポイント増加、感じる人が2.5%ポイント減少)。