2016年12月の消費者心理は上向いたが、「雇用」を取り巻く環境についての消費者意識の数値だけは伸び悩んだ。(写真:PIXTA)

 日本の雇用環境について、人々はこのところ一定の不安感をぬぐい去れないでいるように見える。

消費者心理を表す12月の指数は、3年3か月ぶりの高水準

 1月10日に発表された昨年12月の消費動向調査で、一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)は43.1に上昇した(前月比+2.2ポイント)。3か月ぶりの上昇で2013年9月以来の水準である。ただし、基調判断は据え置かれ、長期的に見れば横ばい圏内の動きだと内閣府は説明した。

 この調査は毎月15日が調査時点とされており、10日前後に調査対象世帯に調査票が届くように郵送した上で、20日頃までに返送されてきた調査票を集計。「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断J」「資産価値」の5項目について、今後半年間の見通しを5段階評価で回答してもらい、決められたルールにしたがって5つの指数(消費者意識指標)を作成する。そして、「資産価値」を除く4つの消費者意識指標を単純平均して、消費者態度指数が作成されている。こうして出来上がった指数は、季節ごとに特有の振れを調整する前の原数値である。内閣府はさらに、そうした季節パターンを調整した季節調整済みの消費者態度指数を作成しており、上記の12月分の数字はそれである。

トランプラリーによる「漠とした高揚感」が上昇の原動力か

 消費者態度指数を構成している消費者意識指標4つは、10月・11月にはすべてが低下していたが、12月は上昇に転じた。「トランプラリー」の下で急速に展開された円安・株高とそのことによる漠とした高揚感を最大の原動力にして上昇したと考えられる。上記のほうに消費者態度指数の構成要素にはなっていないものの、「資産価値」は株高を素直に反映して12月分で43.1に上昇した(前月比+3.0ポイント)になった。2015年11月以来の水準である。

 このほか、天候不順による生鮮野菜の価格高騰という、各家庭の台所事情を強く圧迫していた要因が一巡したことも、消費者のマインド改善を支援した可能性が高い。