構造変化が影響している面が少なからずある

 だが、それらだけではあるまい。近年明確になってきた犬のダウントレンド・猫のアップトレンドには日本の社会経済の構造変化が影響している面が少なからずあると、筆者はみている。

 上記調査の発表元や識者のコメント、SNS上の投稿などを参考にしつつ、犬と猫それぞれについて飼う際に不利な点を列挙すると、以下のようになる。

【犬の飼育をする際に、猫よりも不利な点】

・外に散歩に出す負担が大きい(特に高齢者の場合。雨の日に困る場合も)。

・飼うためのコストが猫よりもかかる場合が多い(大型犬の場合のエサ代など)。

・吠える声が大きい種類の場合、近所などからのクレームに対応する必要も。

・忠実で従順なのはメリットだが、それが飼い主の精神的なプレッシャーになる場合も。

【猫の飼育をする際に、犬よりも不利な点】

・自由気ままな性質なので、急にいなくなり、犬と違って家に戻ってこないリスクあり。

・爪とぎをしたがる。対策をとり切れず、家の壁や床がぼろぼろになってしまうことも。

・猫アレルギーの人がいる場合、対応に苦慮する。尿の臭いがかなり気になることも。

 猫の飼育にも複数のデメリットがあるのだが、それでも飼育数が上向いているのはやはり、日本の「社会の高齢化」が最大の原因だろう。

 加齢や病気によって自分の体力に自信がなくなると、犬を毎日散歩させることの負担感が大きくなってくる。また、年金生活者であれば、飼育コストが相対的に大きい犬の飼育継続をちゅうちょする面があるだろう。これに対し、猫は体が小さいし、散歩が不要で、飼育コストは相対的に安い。