1月5日に都内で行われた自動車工業団体の賀詞交歓会で顔をそろえた自動車メーカーのトップ。左から、日産自動車の西川廣人社長、トヨタ自動車の豊田章男社長、ホンダの八郷隆弘社長、マツダの小飼雅道社長。(写真:つのだよしお/アフロ)

年頭所感の分析は、1999年から続く年初の「ルーティン」

 企業トップが社員に対し、仕事始めにメッセージを伝える「年頭所感」。報道ベースに乗ったそれらの内容をチェックして考察を加えるのが、年初に筆者が必ず行う仕事になっている。1999年以降の「年頭所感」のキーワード・中心テーマは下表の通りである<■図1>。

■図1:企業トップ「年頭所感」におけるキーワード・中心テーマ
1999年 (生き残りのためのリストラ)
2000年 (「IT革命」への対応)
2001年 「変革」「挑戦」
2002年 「改革」「挑戦」「スピード」
2003年 「挑戦」
2004年 (「攻め」の姿勢)
2005年 (「3つのテーマ」に集約 ~ 不断のリストラ、成長事業強化、海外事業拡大)
2006年 「価値」
2007年 (好業績に安住しない緊張感)
2008年 (景気の先行きを警戒)
2009年 「原点」「改革」「チャンス」
2010年 「リスクをとらないことがリスク」「新しい発想」
2011年 「グローバル」「10年先」「ゼロベース」
2012年 「グローバル」
2013年 「変化」「変革」
2014年 「飛躍」(ただし、経済の見方ではアベノミクス期待と先行き警戒が混在)
2015年 「グローバル」を強調しつつ、慢心を戒め
2016年 さまざまな「変化」への対応
2017年 「まさかの時代」への対応
2018年 「個の力」「コンプライアンス」
(出所)時事通信などマスコミ各社報道をもとに筆者作成


 筆者の見るところ、2018年の年頭所感で目立ったのは、①「個の力」(社員個人の能力向上など)への強い期待感の表明と、②大手企業に関連する不祥事が昨年にいくつも発覚したことを踏まえた「コンプライアンス(法令順守)」への言及の2点である。

 それらの具体例を、次に引用しておきたい(具体的な企業名は都合により伏せた上で、その会社が属する業種のみをカッコ内に記した)。