11月23日から26日まで、初めてインドを訪問した。筆者が所属するキャパシタフォーラム(会長:東京大学・堀洋一教授)が企画したインドでのシンポジウムと視察に参加するためである。
これまで、インドは仕事でも旅行でも敬遠してきた国であった。しかし、今回はインド政府筋との意見交換やホンダ・インド研究所への訪問協議が組み込まれていたので、絶好の機会と思って参加した。今回の骨子は、インド政府が唱えている自動車の電動化計画に関するもので、インドを直接体験し意見交換をすることでいろいろなことが見えてくるはずと考えたからである。
首都デリーの日本人は2600人、新興都市グルガオンには日系企業が多く2400人が住んでいる。早晩、グルガオンの日本人はデリーを超える。インド全体の日系企業は2017年時点で1350社と、直近で急増している。それだけ、今後の産業経済の発展が期待されている証拠である。

インドは世界7位の面積。人口は13億6000万人で日本の11倍。中国の人口は13億9000万人であるが、3~4年以内にインドが中国を超えるといわれている。しかし一方では、デリーの交通渋滞、大気環境は中国より酷いとされており、大きな社会問題と化している。排ガス問題、PM2.5(300~500μg/m3、日本基準は70μg/m3以下)は切実な課題である。教室でも本が読めなくなることもあり、その場合には学校が休みになるほど。インド政府は技術が唯一の解決策と表現している。PM2.5のほかに、農場収穫後の焼き畑や、ホームレスが暖をとるためにプラスチックやごみを燃やすことで大気環境を悪化させている。


インド訪問直前の11月21日に開催された東工大シンポジウムで講演した際、インド企業BERGENのKumar氏の講演が興味深かった。彼はインド政府トップ筋との繋がりが強く、インドの政策にも精通している。
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