(写真=shutterstock)

 10月11日に「トップブランド参入で超激戦を迎えるEV市場」というタイトルのコラムを記述した。そこでは、電気自動車(EV)で先行してきた日産自動車、三菱自動車、米テスラ、そして中国ローカルメーカーに追随して、日米欧のトップブランドが本格参入する構えを打ち出していることで、EV市場は超激戦の競争を強いられることを述べた。

VWの抜きんでた電動化投資

 11月18日の日本経済新聞は、独フォルクスワーゲン(VW)がEV企業へ変身する準備に入ったことを報じた。それによると、同社は2023年までの5年間で、電動化の分野に約3兆8500億円を投資するという。25年には欧州生産分の17~20%をEVにするという積極的なEV路線をとる。

 電動化に加えて、自動運転とデジタル化の3分野に約5兆6000億円を投資するとのことなので、電動化だけの投資は全体の約70%を占めることになる。これまでの投資計画から比較すると30%の投資増に相当する。

 この投資とは別に、中国での電動化対応として5000億円強の投資を行い、2020年までに30車種のEVとプラグインハイブリッド(PHV)を市場に供給する計画とのこと。同社は既に、本年10月から上海市でEV生産工場建設に着手している。電動化投資では、先行する各社に対して断トツの投資額を示しているが、15年に発生させたディーゼル排ガス不正問題の払拭につなげるべく、かなり積極的に取り組んでいる様子が窺える。

 この一連の計画に伴い、電池生産についても触れている。独ジャーマン3(VW、ダイムラー、BMW)は、近年、モジュール(下図参照、セルユニットの集合体)以降の開発を自社内で推進する体制を整えてきた。

 今回のVWでの計画では、韓SKイノベーションと合弁でセルを生産する可能性があるという。SKイノベーション自体は元々、200億円の投資で韓国瑞山工場のリチウムイオン電池(LIB)の生産キャパを2018年内に3.9GWhまで拡大する計画を持ち、ハンガリーには850億円規模の投資で7.5GWhの生産キャパを構築し、2020年に稼働することを目標としている。さらには、中国での生産拠点を構える方針だ。今回のVWとの合弁は何処で実現させるのかは定かではないが、今後のサプライチェーンに大きな影響を及ぼすものと考えられる。

セルからモジュール、そしてパック化プロセス