神戸製鋼のデータ改ざん問題は、様々な業界に影響が及んでいる(写真=Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 10月12日の当コラムに、神戸製鋼のデータ改ざん問題に関する「相次ぐ法令遵守違反、未然に防ぐ3つの要件」を執筆した。コラム執筆後にも、新たな事実が次々に報道されていることに、筆者も驚きを隠せない。

 前回のコラムにも、さまざまな反響があり、ほかのメディアからの注目度も高かったようだ。テレビ朝日は10月から東山紀之氏がキャスターを務める新番組「サンデーLIVE!」をスタートさせたが、15日の同番組に筆者は生出演を要請された。時間帯としては7時20分からの約20分のコマで、これは「東山勉強会」として、ゲストコメンテーターを招いての報道である。

 再発防止策の1つとして、部材供給会社と調達会社との間に交わされる契約書の中に、不正が生じた場合にはペナルティを科すような内容を明記するなどの対応案を番組では述べた。それ以前に、経営層から一般社員に至るまで、このような不正問題が起きた場合には、企業経営に甚大な被害が及ぶことを十分に認識する、教育の棚卸しの必要性についても説明した。

不信感を招いた後手発言

 10月8日、神戸製鋼は納入顧客先が200社だったと発表していたが、13日には急に500社に膨れあがり、米ボーイングや米ゼネラル・モーターズ(GM)、米フォード・モーターなども含まれていることが判明した。可能性のある顧客数を把握していないまま200社と明言してしまったことになるが、まず、これで会社側の発言に対する信頼性が揺らいだと思う。

 信頼を揺るがしたもう1つは、発表当初には鉄製品は対象外で、アルミ・銅製品が対象と報道されていたことだ。14日の時点で、今度は一転して鉄製品も含まれるとのことが報道された。十分な確認をしないまま、鉄製品は対象外と公言したことも心証を悪くした。

 しかも、グループ9社のうち、4社が取締役会で把握していながら公表していなかったということから、都合の悪い事実に関しては報告しないという暗黙のルールがあったようだ。これでは会社ぐるみ、組織ぐるみの隠ぺいと言われても仕方がない問題である。

 自動車産業や航空機産業、そして日立製作所が英国に配備した高速鉄道にも問題の部品が供給されていたことが明らかになったから事は重大だ。すなわち、人命に関わる製品に神戸製鋼の部材が、データ改ざんされた形で供給されていたということだ。結果として、国内外のグローバル顧客メーカーの製品信頼性にも悪影響を与える結果になっている。

 トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、三菱自動車等の自動車各社で、三菱航空機やボーイングなどの航空機各社で、さらに鉄道車両などで、安全性に関わる欠陥や不具合が発見されれば、当然、リコール措置がとられることになる。現在、調達顧客側での入念な確認が必要とされており、自動車のユーザーをはじめとする最終顧客に対しての説明責任が問われている。