リコールに関する謝罪会見で頭を下げるサムスン電子無線事業部の高東真(コ・ドンジン)事業部長(写真=YONHAP NEWS/アフロ)

 サムスン電子は9月2日、8月に発売したばかりのスマホ「Galaxy Note7」のリコールを発表した。リコールの原因は、搭載している韓国サムスンSDIのリチウムイオン電池(LIB)の爆発事故が発端とのことだ。

 この発表を聴いた直後、OBとしてこの事故に関する分析をしようと決めていた。また、9月8日に掲載したコラム「遅すぎたディスプレー産業のオールジャパン」に対するコメントの1つに、「サムスン電子のスマホ爆発事故を取り上げてほしい」とあった。今回はサムスンがこのような事態に至った背景について考えてみたい。

LIBリコールの歴史と対応

 遡ること21年前の1995年、ソニーが世界で初めてLIBを事業化してから4年後のことであったが、ソニーの郡山工場で大火災が発生した。当時は、ホンダがソニーと車載用LIBの共同研究プロジェクトを進めていた時期であり、ホンダ側のプロジェクトリーダーであった筆者の目にも、LIBの危険性はまざまざと焼きついた。

 その後も、図1に示すように、2006年から07年にかけて火災事故やリコールが多発した。生産工場ではパナソニック、韓国LG化学のLIB工場が大火災を起こした。

図1 二次電池のリコールと火災事故

 リコール関連でいえば、モバイル用LIBをセットメーカーに供給していた三洋電機、ソニーが大リコールを経験した。ソニーに関しては06年8月、米デルがノートPCに搭載したソニーのLIBを400万台以上の規模でリコールしたことで大騒ぎとなった。過熱に伴う発火事例が何回も発生したためであった。

 この事故はデルに留まらず、米ヒューレット・パッカード、米アップル、中国レノボ、東芝、富士通にまで飛び火し、同年10月までにソニーのLIBパックのリコール数は960万セットと膨大な数量に及んだ。