②スマホ産業

 携帯・スマホ市場でも類似した現象が起きている。市場調査会社ストラテジーアナリティックス(SA)によれば、スマホの世界市場でトップシェアを誇る韓国サムスン電子の2018年の市場シェア予測は20.7%としている。この予測が現実になれば、昨年から0.4ポイント減になる。13年にはシェア32.3%を占めていたのだから大幅な落ち込みとなる。本年のスマホ販売量も3億1430万台と、昨年比で32万台の減少となる模様だ。

 同じ韓国勢のLG電子は、13年に4.8%と世界4位であったが、昨年にはトップ10から外れ、更に本年は3.5%にまで落ち込む予想とのこと。サムスン電子やLG電子の落ち込みも、取りも直さず中国勢の大躍進が大きな要因となっている。

 世界シェア3位から6位に名を連ねる中国スマホ企業のファーウェイ(華為技術)、オッポ、シャオミ(小米科技)、Vivoの4社は、13年の世界シェアが合計で10%程度だったのだが、本年は3倍強の31.7%にまで拡大するとの見通しがある。

 5年ほどの間になぜこれほど躍進できたのだろうか。そもそも、この製品は参入障壁が低かったことを意味する。その証拠に5年ほど前、参入障壁が低い様子を以下のようなジョークとして呟かれた。「中国では昨日までパン屋だった店が、今日からスマホショップに鞍替えした」。中国メーカーの技術進化と部品調達戦略、低コスト開発がそこに絡まって勢力を拡大させつつある。

③太陽電池産業

 参入障壁が低いといえば、太陽電池産業がその最たる例だろう。世界シェアトップを走っていた独Qセルズは2012年に経営破綻し、その後、韓国企業の傘下に入った。同様に、米国の太陽電池各社も経営破綻、そして日系企業も競争力を著しく低下させた。

 今や日系企業の間では、太陽電池のセル事業だけでは競争力を発揮できず、付加価値を訴求できるシステム事業に転換せざるを得ない状況に追いやられている。この要因は、太陽電池を生産する装置を調達さえすれば事業化が可能となる、いわゆるターンキー事業であることだ。