4月を目前にし、新社会人となる方々にとっては人生の大きな節目を迎えることになる。3月中旬の段階で、本年卒業しようとしている大卒以上の就職率は91.2%に達しているというから、日本の好調な景気環境を映し出している。2008年のリーマンショック直後の極めて大変な就職氷河期を経験した当事者達から見れば、何とも羨ましい状況に映っていることだろう。

 閉幕した平昌(ピョンチャン)オリンピックとパラリンピックでは、日本人の大活躍で大きな成果をあげ、日本はもちろん世界にも感動を届けた。正に、2年後の東京オリンピックでの更なる活躍に繋がる道筋を付けたことになる。同年代の新社会人も、大きな刺激を受け鼓舞されたであろうし、自分自身も頑張ろうと思う意識が更に強くなったのではないだろうか。

 一方、世界を取り巻く情勢として、相変わらず政治情勢の不安定な中東やアフリカ、緊張状態が最高レベルにある米国と北朝鮮関係、さらには神経剤の使用によって、ロシアのスパイとその娘を暗殺したとするイギリス側のロシアに対する厳しい非難から、両国間の対立が悪化している情勢など、政治的問題があちこちに点在している。いずれも、グローバルな国家間関係に進展する問題が突き付けられている。

 経済的側面では、各国の輸入製品に大きな関税をかけようとしているトランプ政権、それに抗う欧州勢の逆制裁の検討、そして鉄鋼やアルミ製品などを中心に、日本製品も対象になるかもしれないなど緊迫感が漂う。また、圧倒的勝利のもとで続投となったプーチン政権のロシアは、経済的貧困層の拡大と若者の政権離れが進行している。

 このような一連の世界情勢を垣間見れば、往々にして豊かさを実感できる日本は、仕事のしやすさでもトップレベルにあるだろう。きっと新社会人諸君は、夢と希望を抱きつつ社会に羽ばたこうとしているものと思う。しかし、仕事環境が整っているとしても、気を引き締めて取り組む姿勢が求められる。結局は、本人自身の意識と活力、そして自身が自身のためにどう取り組もうとしているのかが問われている。

 就職環境の逆境下時代でも大きな成果をあげている企業や個人もいれば、仕事環境が良好であるにも拘らず企業や個人の成果に結び付けられていない事例もある。

新社会人時代を振り返れば

 筆者が社会人になったのは、今から40年前の1978年4月1日。当時はオイルショックの影響下にあり、化学系企業は採用を控えていた時代。化学を専攻していた筆者の選択は非化学系企業を対象にしたものの、即決とはならず、結局はホンダに入社。その時、筆者は、「将来の自動車産業界には、化学系や材料系の人材が活躍できる場が、いずれ到来するはず」というモチベーションを自らもったことで、それを仕事の原動力とした。

 もうひとつの原動力は、創業者・本田宗一郎の名言。「会社のためではなく自分のために仕事しろ」「技術論議に上下関係は無い」「信念をもって仕事に臨め」等々、当時の企業経営の中では異論ともいえる目が覚めるほどの格言に共感したことであった。