日本が先導してきたxEVおよび電池技術に関しては、オープン&クローズド戦略のビジネスモデルが一層必要になっている。日本が先陣を切って開拓してきたこの分野で、知財的にはもっと優位に立ってビジネスを展開できていたはずだと思える部分はこれまでも多い。

 HVでは圧倒的な地位を築いた日本勢。その知財の縛りがあったからこそ、トヨタとホンダの技術障壁は厚かった。それが故に、日産、および欧米韓の自動車各社はHV開発に大きな遅れをとった。

 その中でトヨタは米フォード、日産、マツダへの技術供与を積極的に進めるオープン戦略を展開した。一方、ホンダは独自のIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)システムを他社へ技術供与しないクローズド戦略を選択してきた。

 では、今後はどういうスタンスが望ましいのだろうか。米国ZEV規制も単に大手自動車メーカーに対する2018年規制4.5%、2025年22%という数値のみを課せるのではなく、技術供与をした自動車メーカーには強力なクレジットを与えて緩和すること、それによって世界の自動車各社に積極的に技術供与ができる仕組みを整えることが有益と思える。

 それに伴い、最先端技術を開発する自動車各社や電池各社が独自の技術とシステムを競合他社に優位な立場で供与することで、当該社が知財の恩典を受け、しかもグローバルに見れば世界の自動車の電動化が加速度的に発展することであろう。そのシナリオを実現するビジネスモデルが、全世界的に問われているのではないだろうか。

中国政府の政策は功を奏すか

 今週1月7日から9日まで、中国深セン市で自動車の電動化と車載用電池に関するアジア国際会議が開催される。これは日本の矢野経済研究所と中国深セン市および調査コンサル会社が共同で主催する会議である。

 7日は日韓のスピーカーが講演し、8日と9日は中国の政府機関や企業からの講演が展開される。初日の7日は、筆者が「xEV用LIBの動向と将来展望」と題してトップバッターで話題を提供する。

 そして当日の締めの講演は、筆者が昨年から懇意にしているLG化学の電池分野の重鎮、リサーチ・フェローのJe Young KIM氏が執り行う。今、鼻息の荒いLG化学の発信内容に期待が集まる。

 中国では、政府が推進する新エネ自動車への補助金制度に端を発し、自動車の電動化に対応するため、とりわけ電池研究開発と事業展開が活発になっている。というよりも、電池バブルと言わんばかりのブームとなっている模様だ。

 今回のアジア国際会議でも、白熱した情報発信と主導権競争に注目が集まる。話題性があれば、内容を分析して後のコラムで紹介したい。