これまでの報道は、あくまで本人たち以外への取材に基づくもので、騒がれていた解散や分裂、あるいは同時に飛び交ったデマや噂話も含めて、何がどこまで事実か確認できていないままだったのです。

 にも関わらず、お茶の間に元気と笑顔を与える、日本を代表するアイドルと言われてきた人たちが、疲れ切った顔で唐突に謝り、そして反省の言葉を述べる。

 説明がない場合、一般的には報じられていることが事実であると受け止められます。今回流れている様々な噂の中には、嘘も少なからず含まれていると思いますが、言及がなければ全て本当かもしれないという印象を与えます。

 そんな状況の中で、ただ具体的な説明なく、憔悴しきった顔が並んでいたのです。

 ある人はこれを「見せしめ」と言い、またある人は「公開処刑」となぞらえました。

 一体これは誰に向けて、何についての、何のための言葉なのか。それすらよく分からない。

 さらにグループとしてのメッセージなら、なぜ木村氏一人が司会者のような、他人事のような言葉しか言わないのか。われわれSMAPとしてどうなのか、というメッセージがそこには見られませんでした。

 SMAPとして、ということなら、リーダー(中居氏)がグループを代表して説明をし、グループ全体として共通のメッセージを出すべきところでしょう。

 本来、もし謝罪をするならば混乱の収束が目的になろうというものです。が、今回の謝罪は、謝罪自体を目的とした「形だけの謝罪」でした。

 これは、危機的状況への対応としては、決定的な失敗であったと考えます。

 ではどうすれば良かったのか?

記者会見を逃げた

 最も大きな失敗は、記者会見をしなかったことです。

 自らのレギュラー番組で、一方的に、予め決められた進行で、準備した台本を読む。視聴者が抱く疑問に向き合うことなく、質問に答えることなく、事実も、今後も、結局よく分からないまま、言いたいことだけ言って時間が来たところで終わる。そしてすぐにCMです。

 これでは視聴者の納得は得られないでしょう。

 組織のゴタゴタで世間を混乱させた、というなら、謝罪するのはタレントでなく、組織のトップです。今回の場合はジャニーズ事務所の社長でしょう。

 社長が記者会見を開いて、混乱について説明し、必要ならば謝罪をする。それに対して、記者が読者や視聴者を代表して知りたい、聞きたいことを質問する。それに社長が答える。これが問題を収束させるために必要なプロセスです。

 SMAPが5人で記者会見をすることでも、番組中の謝罪よりはマシだったと思います。ファンの声、国民の問いに自分たちの言葉で答えるという姿勢を見せられただろうからです。