
連日のSMAP騒動の中、急きょ放送された生放送による番組中の謝罪は、その目的達成という観点から完全な判断ミスであり、決定的な失敗でした。これをきっかけに、この生謝罪の影響は、おそらくジャニーズ事務所や関係者が意図しない方向へと進行するのではないかと見ています。
今回はこの問題について、いつものように動画を見ながら考えてみたいと思います。
ネット動画はアイデアの宝庫、それでは今週もいってみましょう。
意味不明な謝罪
「SMAP解散」という大きな報道で始まった今回の騒動。中身はSMAPが所属するジャニーズ事務所内部のゴタゴタでした。SMAP担当マネジャーの退社をきっかけにSMAPも一緒に事務所を出ていく。ただし、メンバーの一人が残ることになってグループは分裂・解散しそうだ、というのがその中身です。
そんな状況の中、SMAPメンバー全員が揃ってフジテレビのレギュラー番組で急きょ生放送に切り替えて行なったのが18日の生謝罪でした。
5人のメンバーが登場し、2分43秒を使ってそれぞれが話す。話し始めたのは中央に立った木村拓哉氏でした。
「このままの状態だとSMAPが空中分解になりかねない状態だと思いましたので、今日は5人がしっかり顔を揃えて皆さんに報告することが何よりも大切だと思いましたので、ほんとに勝手だったんですが、このような時間を頂きました」
そんな言葉の後、
- 申し訳なく思っております (稲垣吾郎氏)
- 本当に申し訳ございませんでした(香取慎吾氏)
- 本当に申し訳ございませんでした(中居正広氏)
- ジャニーさんに謝る機会を木村君が作ってくれて今僕らはここに立ててます(草なぎ剛氏)
と、一人を除いて疲れ切った表情で謝罪あるいは反省らしき言葉を順に口にします。
「何があっても、前を見て、ただ前を見て、進みたいと思いますので、皆さんよろしくお願いします」
そしてこれが木村氏による最後の言葉でした。木村氏だけが、ドラマのセリフのような雰囲気だったのが印象的です。
これを受けた報道の多くは、SMAP「存続表明」「空中分解回避」「残留」などの見出しが中心で、何となく事態は収束に向かうかのような伝え方をしていますが、私はむしろ逆だと見ています。
それは、意味のよく分からない謝罪だったからです。
通常、不祥事や混乱を詫びる場合、まず何が起きたのか事実の認定をした後に、謝罪があり、今後の話をする、というのが一般的な流れです。
そしてメンバー全員で1つのメッセージを伝えなければ、グループとしてのメッセージがうまく伝わらない。
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