ここで重要なのは、その職員にとって、自分の机の上は「日常」だということです。そして、そこにヨーグルトを置いた時、自分の目はヨーグルトに行きます。それ以外は「日常」ですから気にならないのです。

 そして、当然、自分とネットでつながっている人たちも、ヨーグルトを見るだろうと、本人は考えます。お腹が空いたことも文字で書いているので、本人の中で伝えようとしているメッセージはクリアです。

 ところが、「机の上」は他人にとっては非日常の世界ですから、何があるのかが気になります。何の仕事をしている人か、これは何の書類か、これは見せてはいけない情報ではないのか、これは一体何者だ、という具合です。

 もちろん、公開情報になっているツイッターで、そもそも公開してはいけない情報を、しかも勤務時間中に投稿するという、これ自体はいくつもの問題が重なった事件ではありますが、写真のネット投稿では、大きな問題に発展するかどうかは別にして、これに近い問題がよく起きています。

 しかも最近のカメラは解像度が高い。スマホの画面上では小さくて気づかなくても引き伸ばして解析できる情報がたくさんあります。最近は、自撮りの写真に映った人物の眼に反射している映像から、本人がいる場所や一緒にいる人を特定されるといった話を聞きます。

 先の鍵の動画で「正式な鍵の開け方」だけしかイメージできない人と、まったく別の開け方を試す人の意識の差が、そこにあるわけです。

ネットでは泥棒も販促に利用される

 ここでまた別の動画を紹介します。

Burglars Just Want Tacos

 これは、「泥棒はただタコスが欲しかった」というタイトルの動画なのですが、登場するのは本物の泥棒で、動画を公開しているのは泥棒に入られたタコス屋さんです。

 米・ラスベガスにあるこの店は、セキュリティカメラに映った実際の泥棒の映像を使って、「彼らはうちのタコスが欲しくて欲しくて、深夜、ドアを壊して店に突入したんだけど、肝心のタコスを見つけられなかった」「それほどまでにうちのタコスはうまい」というストーリーにまとめています。

 泥棒が金銭目当てであり、タコス目当てではないのは明らかなのですが、泥棒に入られながらも、それを商売のアピールに使っているところが面白いと評価・注目されている動画です。

 セキュリティカメラの映像と販促。これは一見つながりにくい組み合わせですが、実はネットの危機管理でも、これと似た組み合わせで社内啓発を期待されることが増えています。

 それはつまり、「ネットの利用法について注意を喚起したい」が、同時に、「積極的なネット活用も促したい」というものです。

 厳しいルールで縛って情報発信を制限するのではなく、安全な方法を学びつつ便利にどんどん使ってほしいということです。どちらか一方に重きを置いていた以前に比べて、業務においてネットがそれほどまでに不可欠なものへと変化した現状が分かります。

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