ブラジル株や韓国株が大統領弾劾の動きに伴って上昇したのは、大統領の人気低迷が原因です。一時的に政治が不安定化するリスクはあるものの、現政権よりも新政権の方が期待できるとの見方が、両国の株式市場を押上げました。

 ニクソン氏の場合は逆に人気の高かった大統領が求心力を失い、政治が機能不全に陥ることになりました。これが米国株が下落した理由です。

 以上をまとめると、人気のある大統領の場合、弾劾は株式市場にマイナスですが、不人気な大統領の場合はその大統領が退陣することによる安心感や新政権への期待感などからプラスとなります。これが大統領弾劾と株式市場の関係についての結論です。

 最後にもしトランプ氏が弾劾された場合の株式市場の反応について考えてみます。

トランプ氏、支持率の推移に注目

 米調査会ギャラップによれば直近のトランプ氏の支持率は38%です。低い数字ですが、それでも米国民の40%弱が支持しています。またその前の週も同じ38%で、低下している訳でもありません。ルセフ氏やパク氏の場合は支持率は20%程度まで低下していましたが、それよりは高い水準です。

 トランプ氏の場合、まだそこそこ支持があるため、現時点でいきなり弾劾に向けた動きが進めば政治の混乱が嫌気され、米国及びその他の国の株式市場に悪材料となる可能性の方が高いと思います。

 ただし、支持が更に低迷し、支持率が20%台に落ちれば、政権としては死に体となり、市場でも早期の退陣を望む声が高まると思います。そうなった時点で弾劾の動きが活発化するのであれば、ルセフ氏やパク氏のように弾劾はむしろ株式市場にプラスになると見ています。