今年に入ってからの日本株は、さえない動きを続けています。他市場が上昇しているにもかかわらず横ばいのまま。投資家たちはフラストレーションを貯めつつあるようです。
しかし、長い目で見れば、日本の経済や株式市場の見通しはむしろ明るさを増しています。バブル崩壊後から続く経済や株式市場の停滞は「失われた20年」と呼ばれます。筆者は、この失われた20年は既に終了し、日本株は持続的な成長局面に入ったと考えています。今回はそう考える理由を説明します。
失われた20年の原因は3つの構造問題
失われた20年が生じた原因について定説はありませんが、筆者はa.不良債権と金融システム不安、b.経済・企業の競争力低下、c.政治の機能不全、の3つと考えています。ただし、この3つが失われた20年の全期間を通じて影響したわけではありません。前半(1990年-2003年)は不良債権問題が、後半(2007年~?)は残りの2つが原因となりました。
不良債権問題は小泉内閣で解決
1990年にバブルが崩壊し、失われた20年が始まりました。その後、1995~96年や99~2000年のように景気や株式市場が回復した時期もありましたが、いずれも一時的なものにとどまりました。これは、これらの回復が金融緩和や財政出動などによるもので、構造問題は手つかずだったことが理由です。当時の構造問題は不良債権と金融システム不安でした。
不良債権問題に本格的に手を付けたのが、小泉純一郎首相(当時)です。当時、慶応大学教授だった竹中平蔵氏を金融担当大臣に抜擢。2002年には金融再生プログラムを作成して問題解決に乗り出しました。
小泉・竹中コンビの努力の甲斐あって不良債権問題は決着、経済や株式市場は03~07年の初めにかけて回復を続けます。多くの人は「失われた10年は終わった」と思いました。
しかし実際はそうではなかったことが間もなく明らかになります。リーマン・ショックをきっかけに景気も株式市場も停滞局面に逆戻りしてしまったからです。「失われた10年」は「失われた20年」になりました。
Powered by リゾーム?