中国の変化は日本の何倍のスピードだろうかと思うほど速い。1年前に見かけた自動販売機は日本のような最新式のものに取って変わり、ショッピングセンターも行くたびに変わる。風景や建物だけでなく、人々やソフトの内容まで変化している。環境の変化に対応するだけでフラフラになるほどだ。

 だが、従来の変化はほとんどが経済的なものが中心だった。これまで中国は経済の発達スピードに比べて、文化の発達スピードは遅いと言われてきた。経済最優先で、文化の充実は後回しにしてきたからだ。マナーや道徳などの面も同様で、それが各国から中国が揶揄されるひとつの材料になってきたが、ここへきて、文化レベルの向上が見られるようになってきた。先日、中国各地を自分の足で歩いてみた実感だ。

 新文化の担い手となっているのは、かつて80后(バーリンホー、1980年代生まれ)と呼ばれ、メディアを賑わせた世代の人々だ。日本でいう「新人類」のように注目された世代だけに、記憶に残っている人は多いだろう。一人っ子でわがまま、権利意識が強く、愛国主義の影響で一部では反日的だとも評された世代(現在27~36歳)である。

 そんな「貧しさを知らない中国のボリューム世代」である80后(バーリンホー)が、いよいよ中国文化をけん引していく時代に入ってきているのではないか、と感じたのだ。

まずくて薄くて高いコーヒーが…

 たとえば、カフェ文化の担い手だ。中国のコーヒーといえば「まずい、薄い」、そして最近では「日本より高い」が当たり前だった。中国料理にコーヒーはマッチしないからなのか、東アジアの中で、コーヒー文化のレベルは日本だけが突出して高く、比較的早く経済発展し始めた香港や台湾などでさえ、コーヒーの味はイマイチだと感じることが多かった。だが、最近は事情が変わってきた。香港や台湾にもないような、日本のカフェを模した洗練度の高いカフェが、次々と中国に出現しているのだ。それらを経営しているのはいずれも80后の若手中国人たちだ。