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昨日公開した前編ではプレハブ型応急仮設住宅とトレーラーハウス型応急仮設住宅、それぞれの建設費について“防災の鬼”渡辺実氏が言及した。『ぶら防』取材班は北海道の被災地に飛び、現地の声を集めた。聞こえてきたのは北海道という場所の特異性と対応の難しさだった。「でもね、課題が多いからこそ、応急仮設住宅の今後についての示唆も多かったといえるんだよ」と渡辺氏は言う。

北海道安平町の被災者の戸別敷地内に設置したトレーラーハウス型応急仮設住宅

 被災地の応急仮設住宅にはいくつかの種類がある。まっさきに思い浮かべるのがプレハブ工法で建てたものだ。また既存の空き住宅を自治体が借り上げて被災者に利用してもらうのが、いわゆる『みなし仮設住宅』だ。

 かつて、応急仮設住宅といえば上の2種類だった。ここに新しい仲間が加わった。本コラムで繰り返し紹介し、また本稿前編でも言及した「トレーラーハウス型」の仮設住宅だ。

 “防災の鬼”渡辺実氏が説明する。

「歴史が大きく動いたのは熊本地震でした。初めてトレーラーハウスの被災地活用に対して国の予算がついたのです。このときは『福祉避難所』としての運用でした。高齢で介護の必要な方や妊婦さんなど、配慮が必要な方々のための公的避難所としてトレーラーハウスが使われたのです」

 30台のトレーラーハウスが約1カ月間運用され、被災者の生活を支えた。

「そして、今年7月の西日本豪雨では、ついに災害救助法に基づく『応急仮設住宅』としてトレーラーハウスの運用が実現したわけです」(渡辺氏)

「プレハブ仮設と張り合うつもりは毛頭ない」と渡辺氏は言う。

 記述の通り、1カ所に大量の戸数を建設することに関して、プレハブ仮設は実に考え抜かれた優れた製品だ。

 しかし当然だが欠点もある。その多くを補ってくれるのがトレーラーハウスだと、渡辺氏は言う。