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プレハブ協会の見解

 ちなみに当のプレ協は上の現実をどう考えているのか問い合わせると、担当者から以下のような回答を得た。

「プレハブ仮設について発注の窓口にはなっているが、その後、建設にいくらお金が使われたのか、一切報告はないので数字そのものを把握していない」

 金額について本当に報告がないのか、再度念を押したが「ありません」との回答だった。

「阪神・淡路大震災や東日本大震災のような大災害が発災すれば、すぐにでも何百棟、何千棟という仮設住宅が必要となる。そうしたときにプレハブ仮設は非常に頼りになる。だからこそこれまでは、この一点にすがってきたのです。プレハブがなんとかしてくれる。プレハブがあれば大丈夫だ、という意識ですね。しかし、このプレハブ型応急仮設住宅建設費の実態は闇に包まれており、税金が投入されているのですから公開されるのが当然ではないでしょうか」(渡辺氏)

 プレハブ仮設以外の選択肢がなければそこに頼らざるを得ない。しかし、近年では事情が大きく変わりつつある。

「この連載でも何度も取材しましたが、トレーラーハウスを活用した仮設住宅です」(渡辺氏)

 前出の北海道福祉保健部によれば、現在道内に導入されているトレーラーハウス型などの仮設住宅は15棟(12月26日現在)、建設費の総額は約8500万円だ(搬入・搬出費、北海道仕様含む)。数タイプあるが単純計算で1棟あたり570万円ほどとなる。これらの仮設住宅を被災自治体と2年間のリース契約で設置する。

「トレーラーハウスの場合、壁床天井は断熱効果を持った住宅並みの建築基準で作っています。トレーラーで移動するのでそもそも建物強度も高い。つまり仮設仕様ではない。北海道から沖縄までこうした部分の仕様を変える必要はない。また、広さもロフト仕様があるなど20m2~37m2の間でバリエーションがあり、ひとり住まいから家族まで対応できます」(渡辺氏)

 完成した住宅そのものをトレーラーで牽引して被災地へ運んで設置し、電気・ガス・上下水道などを整備・接続すれば即入居可能となり、建築コストが抑えられる。また耐用年数は輸送強度を加えて2×4工法の24年を上回る30年となっているので、十分リユースが可能である。

 実際、今回の北海道胆振東部地震で導入されたトレーラーハウス型の応急仮設住宅にもリユース製品が一部使われている。

「1戸あたりの建設費が570万円と1200万円。トレーラーハウスがプレハブに比べて劣っているのなら私も納得します。ところがそうではない。建設費だけはなく、断熱性能など住まいとしてのクオリティや環境性能、なにより2年経過したら、現地からトレーラーハウスを搬出すれば廃棄物がでないなど、プレハブに比べてトレーラーハウス型仮設の有意性が明らかにある。プレハブだけの時代から代案としてトレーラーハウスが活用できる時代になったいま、国も本格的なトレーラーハウス被災地活用の議論を国家備蓄を含めて始める時期に来ているということです」(渡辺氏)

 後編では北海道でのトレーラーハウス型応急仮設の運用の様子をレポートする。