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プレハブ仮設、驚きの建築費

 北海道庁の保健福祉部によれば、こうしたプレハブ型応急仮設住宅が北海道内に208戸建設された(12月26日現在)。建設費の総額は約25億6560万円だ(解体撤去費含む)。この額を208で割ると、1戸あたりの建設費は1200万円を超える。

「報道の通り、天井、壁、床の断熱材が厚くて窓は二重サッシに。玄関には風除室を設けられているし、ストーブや灯油タンク、物置も標準装備です。さらに電気・ガス・上下水道工事も寒冷地仕様でコストがかかっている。ただ、こうした寒冷地である北海道仕様の付帯工事費が上乗せされているとしても今回の建設費が1200万円以上というのは非常に驚きました。

 プレハブ仮設の建設費は実勢価格で精算されており価格は上がっているのですが、今回は1000万円を大きく超えた。それだけのお金をかけるならもっと別の救済措置があるのでは? 単純にそう考えてしまいます。例えば、全壊や大規模半壊認定されたのであれば被災者生活再建支援法で最大300万円が支給されます。1200万円を加えれば1500万円。この地域であれば一戸建てが建てられるのでは……」(渡辺氏)

 これは北海道胆振東部地震に始まったことではない。熊本地震でも西日本豪雨でも同様のことが繰り返されている。

「災害救助法上のプレハブ仮設の使用期限は2年です。被災者はこの2年のうちに新しい住まいを確保し、出ていかなければならない。使い終わったプレハブ仮設は取り壊されます。一部はリサイクルされるようになっていますが、基本は撤去廃墟処分です」(渡辺氏)

 安平町のプレハブ仮設に住む前出の男性にこのことを話すと、「だったら1200万円を現金でもらったほうがずっといいな。生活再建はそっちの方が早いに決まってる」と表情を硬くした。

 仮設住宅の建築費は各都道府県の負担だが、災害救助法に基づき国も負担し、もとをたどれば我々の税金から賄われていることは言うまでもない。

「こうした背景もあるからこそ、私はいつも『すべての国民にとって災害は他人事ではない』と言っているのです」(渡辺氏)