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応急仮設住宅建築の上限とは

 9月6日、胆振地方の中東部を震源として発生した北海道胆振東部地震は最大震度7、マグニチュード6.7。死者は41人、負傷者は700人を超えた。全壊、半壊を合わせると2000棟近くの家屋が被害に遭い、多くの道民が住む家を失った。

 プレハブ型応急仮設住宅の建築について、自治体と地元の建築業者を結ぶ窓口となるのは『一般社団法人プレハブ建築協会(以下 プレ協)』だ。発災からほどなく、全国の自治体と協定を結ぶプレ協に応急仮設住宅の建築依頼が入る。同協会は各地の会員企業に連絡し、その土地にあった『プレハブ型応急仮設住宅』の建築を打診する。

 “防災の鬼”渡辺実氏はこう指摘する。

「災害救助法で決められているプレハブ型の応急仮設住宅の一戸あたりの建築費の上限は561万円です。災害が起こるたびに新聞やテレビで報道される数字なのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね」

 今回の北海道胆振東部地震では以下のように報じられた。

 被災地の真冬の冷え込みは極めて厳しい。厚真町の今年2月の平均最低気温は氷点下16.5度。寒さ対策として、天井や壁、床の断熱材を分厚くし、窓は二重サッシに。玄関には雪や風を防ぐ風除室を設け、敷地は通常の仮設住宅より広くし、通路などに雪の堆積場を確保する。

 整備基本額は災害救助法に基づき、1戸当たり561万円と定められている。同課(北海道住宅課)は「予算は限られているが、被災者ができるだけ冬場にも快適に暮らしていけるよう、建設していきたい」と強調する。

(2018年10月5日共同通信より抜粋 下線は編集部)

「2011年の東日本大震災以前は1戸あたりの標準仕様は、広さが29.7m2で価格は238万7000円でした。でもさすがにこれじゃろくなものは作れないということで、2017年の4月から価格は551万6000円となり、広さについては各被災地の状況に合わせて決めることができるようになった。そして現在は価格の上限が561万円/戸になっているのです」(渡辺氏)

 これはこれで結構なことだと“鬼”は言う。

「ただね、私の知る限り、法律で規定された上限価格に収まったことは過去に1度もないんですよ」(渡辺氏)

 北海道胆振東部地震の被災地に建設されたプレハブ型仮設住宅の仕様は以下の通りだ。

 これらの建設費はいったい幾らくらいだったのか──。