巨大立坑には自由の女神がすっぽり

 次に案内していただいたのは「立坑」だ。首都圏外郭放水路、6.3キロメートルの施設内には5本の立坑がある。河川から水を取り込みトンネルを通じて調圧水槽に送る施設だ。これも調圧水槽に負けないくらいの巨大地下構造物である。

地上に設けられた立杭への入口

 一旦地上に出て、別の入り口から潜る。広場では少年たちがスケートボードで遊んでいた。彼らは、まさかこの真下に巨大な穴があるとは思うまい。

 濡れた手すりを握り、階段を降りる。下が透けて見える網掛け構造になった部分もあり、背筋にゾクリと悪寒を覚える。立坑の穴はそれほどに深い。

立坑を上からのぞく。側面にある穴が調圧水槽への取り入れ口

「第1立坑から第5立坑まで、それぞれがトンネルでつながっています。各立坑の深さは約70メートル、直径約30メートル。あの米国の自由の女神がすっぽり入る規模です」(長氏)

「こうした立坑から吸い込んだ水を調圧水槽に貯めるわけですね。この立坑は他にも役目があるのですか?」(渡辺氏)

「工事中はトンネルを掘るための機材の搬入などにこの立坑を使ってました。完成後は水を取り込むことに加え、トンネルなどのメンテナンスのための機材を搬入する際にも使われています」(長氏)