調理された魚はまず計測器に

 パットの中の巨大なヒラメをまな板に移す。

「福島第一原発の沖、10キロメートルほどの場所で採れたヒラメです。大きいですね。9歳か10歳くらいの個体です。それではさばいていきましょう」(富原氏)

福島第一原発沖10キロの海域で採れたヒラメ

 富原氏の腕前は玄人はだし。「普通の魚は3枚におろすんですけど、ヒラメは5枚」と手際よくさばいていく。ヒラメ、カレイは表面を2枚におろし、同じように裏面を2枚にする。真ん中に残るのが背骨の部分だ。だから5枚おろしとなる。

 調理台の周りに集まる参加者たちは福島県外から訪れたという方も多い。小学生くらいの子供を伴う家族連れも目立つ。

 福島県郡山市から来た30歳代のお父さんに聞いた。

「福島の魚は美味しいのに、原発事故後6年半経過しても地のものはなかなか全国に流通しません。おかげで県民である私達もなんとなく敬遠してしまいがちなんです。今日はそんな気持ちを解消するために親子で参加しました」

 富原さんの手によって5枚におろされたヒラメの身。これを食べるのではない。すりつぶして計測器に入れる。

「計測にかかる時間はちょうど1時間です。その間に事前に作っておいたマトウダイのカルパッチョを食べていただきます。事前に検査した安全な魚なので安心して召し上がってください」(富原氏)

 ”防災の鬼”渡辺実氏も試食。

「身がコリコリしていて美味しいね。とっても新鮮で素直な味の白身です」(渡辺氏)

マトウダイのカルパッチョを食べる渡辺氏

 そうこうしているうちにヒラメの計測が終わった。

「結果はセシウム137が1キログラムあたり6.30ベクレルです。まぁこんなところでしょうね」(富原氏)