9月8日、日本で初めて災害救助法に基づく応急仮設住宅としてトレーラーハウスが活用され、被災者の入居が始まった。。西日本豪雨で大きな被害の出た岡山県倉敷市真備地区に隣接する同市船穂町柳井原地区に敷地面積6500平方メートルの工業団地の一角に並んだトレーラーハウス等51棟は北海道、長野、福岡、熊本から集められた。“防災の鬼”渡辺実氏が鋭く切り込む。
トレーラーハウス設置の風景。上下水道・電気ガスが繋がれる

「被災地の仮設住宅を大別すると『建設型』と『借上型』とに分けられます。建設型はプレハブタイプと木造タイプがあり、借上型はいわゆる『みなし仮設』のことですね、民間のアパートやマンションを借り上げて仮設住宅とします。今回ここに新たに『トレーラーハウス』が仲間入りすることになった。繰り返しますがこれは日本初の出来事で、被災地支援の歴史の大きな転換です」(渡辺氏)

 前編に続き、日本RV輸入協会の会長でありカンバーランドジャパン社長の原田英世氏にご登場いただく。

「プレハブ建設協会の提供する従来型のプレハブ型仮設住宅を否定するつもりはまったくありません。ただ、やはり欠点もあります。例えばプライバシーの確保の問題。プレハブ型は長屋のようにお隣との境は一枚の壁です。これだと隣の生活音が筒抜けです。

 また、断熱効果もあまりないので冬は寒く夏は暑い。冬には結露も問題になる。その点トレーラーハウスは戸建てのように独立しているので生活音が伝わることはないし、壁は一般住宅並みの100mm断熱を採用しているので暑さや寒さからも守られ、仮設住宅終了後の二年後には再利用します」(原田氏)

倉敷市真備町地区に建設中のプレハブ型仮設住宅

「プレハブ型は大量に用意できるから、やはりなくてはならないものだと思っています。ただ、他にも選択肢があっていい。これまで被災者には『選ぶ権利』があまりにも制限されていた。人権侵害に等しいと私は感じてきました」(渡辺氏)

「だからこそ選択肢の一つとしてトレーラーハウスのことをもっと知ってもらいたいわけです。実際に見ていただいて『これは使えない』と判断される方もいらっしゃるでしょう。逆に『プレハブよりこっちのほうがいい』と感じていただける方もいらっしゃるはず。判断は被災者自身が下せばいい。そうした機会を行政側も作ってくべきだと思います」(原田氏)

「今回、トレーラーハウスが仮設住宅として運用されることに至った経緯については様々あるのですが、2016年の熊本地震の際に原田さんの会社の大型トレーラーハウスがお年寄りや体の不自由な方々のための『福祉避難所』として使われたことが大きかったと思います。原田さんご自身はどうお考えですか」(渡辺氏)