
2014年の8月にスタートしたママのための備災講座「防災ママカフェ」。主宰のかもんまゆさんが全国の会場を巡り「ママの心に消えない“備災”の灯を点ける」(本人談)のが目的の会だ。リクエストがあればどこにでも出かけることをポリシーに掲げ、これまでに190カ所、1万2000人以上の参加者に向けて、災害から自分と子どものいのちを守るための心構えや、実際に取るべき行動について講演してきた。「備災」の名付け親である“防災の鬼”渡辺実氏が防災ママカフェに潜入した。
7月某日、東京都六本木にて「防災ママカフェ」が開催された。会場となったレストランカフェ「natural kitchen yoomi」(東京都港区)には50人を超える参加者が集まった。
ベビーカーを押すおしゃれな夫婦。赤ちゃんを抱っこする若いママ。小学生くらいのお子さんのいる家族連れ。趣旨を知らなければ親子参加型のパーティー企画のようにも見える。足を踏み入れた瞬時、「仲良しサークルの集まりみたいだな」と感じたが、そうではない。
スクリーンには3・11の被災写真が映し出され、被災地に暮らすママたちの生の声が紹介される。参加者たちの耳はかもんさんの言葉に釘付けだ。

ここはママたちが防災に関する意識を高める場だ。災害に遭ったときにどう行動すればいいのか、いつかくるであろう「その日」のために日常どんなことに気をつけておけばいいのか。かもんさんの平易な言葉がママたちの心にダイレクトにリーチする。
「そもそも防災ママカフェを始めたきっかけは?」(渡辺氏)
「私の本業は、マーケティングや宣伝、企画の仕事。まずは商品やサービスを認知してもらい、理解してもらい、必要を感じて買ってもらうことに日々知恵を絞ってきた人間です」(かもんさん)
「それがどうして防災に?」(渡辺氏)
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