映画のセットのような訓練施設

 今年4月、警視庁はSRTや機動隊の救援部隊が訓練するための専用施設を立川の警察訓練所の敷地内に完成させた。7100平方メートルの敷地に約6億5000万円をかけて整備したという。管理や訓練指導を担当するのは警視庁災害対策課。つまりSRTである。

訓練施設の全景

「原寸大の瓦礫やビルを想定したやぐら、水害対応のためのプールも完備しています。今年5月にはマスコミにも一般公開しました」(齊藤氏)

 こうした場所で日々トレーニングを重ね、隊員たちは救助のスキルを高めている。

 “ぶら防”取材班は訓練設備のマスコミ公開にも潜入した。大規模な映画のセットのような敷地。水害を想定したプールには水が勢い良く流れ込む作りになっている。

水難救助のデモンストレーションを行う女性隊員

 また、プールの中央には住宅の屋根を模した建築物もある。ロープを張って救助に向かうなど、本番さながらの訓練が繰り広げられた。こうした日々の努力が有事の際に活かされるのだ。

「22時間かけて被災地に到着したわけですが、初動についての指令はどういったものだったのですか?」(渡辺氏)

「どこに何人、どんな方々が被災しているのか情報が錯綜していました。だからまずは一つひとつの現場を捜索し、そこがどのような状態なのか、救助を待っている人がいるのかどうか、そうした情報を集めなさいということでした」(髙橋氏)

 SRTが投入されたのは地名でいうと、広島県広島市安芸区矢野東地区。18才の男子高校生が行方不明になっており、何度も報道された場所だ。

 明日公開の後編では実際の救助活動について紹介する。警察ならではの「心」がそこにある。