現場にたどり着くには一苦労

「SRTにはどういう指令が下ったのですか?」(渡辺氏)

「7月7日の朝8時くらいに出動することになるから準備しろ、との指示があり、実際に出発したのが同日の午前10時でした」(髙橋氏)

 警察組織の場合は、正式に被災県の公安委員会からの援助の要求、または警察庁長官の指揮で派遣される。

「消防隊のハイパーレスキューもそうですが、SRTのような特殊部隊はスピードが命です。本当ならヘリコプターで行きたいのですが、台風や豪雨という気象条件下ではヘリを飛ばすことができません。機材と隊員を3台の車両に分乗し、陸路で都内を出発しました」(齊藤氏)

「とはいえ、どこに行くのか難しいですよね。現地は道路が寸断した場所も多い。どこにどのくらいの被害者がいるのかもまだわからない。いったいどんな指令だったのか、興味がありますね」(渡辺氏)

「まずは広島県の警察学校(広島県坂町)を目指しなさい。という指令でした」(髙橋氏)

「現地に到着したのはいつですか?」(渡辺氏)

「7日の午前10時に出発して、翌日の午前8時に到着しました。ほぼ丸1日です」(髙橋氏)

 高速道路を問題なく走ることができれば、本来なら9時間ほどの行程だ。しかし、被災当時は2倍以上の時間がかかったことになる。

「各地で道路が寸断されています。現地まで行ってみないとどうなっているのかわからない場所も多い。警察庁などから道路状況の情報を集めてもらい、それをここ(立川の本部)で集約し、最適なルートを割り出して部隊に伝える。という方法でコントロールしました。それでも22時間かかった」(齊藤氏)

「あと、災害時はいつもそうですが、給油も大変だしね。ガソリンスタンドには自衛隊も消防も殺到するでしょ」(渡辺氏)

「そう、まさに取り合いです」(齊藤氏)