1500Wってどれくらい?

 そこで電動 DRIVE STATIONには体験ブース(ライフスタイルコーナー)が用意されており、実際の1500Wを体感できる。小野氏の案内で“チームぶら防”も体験してみた。

各種の家電製品が置かれたライフスタイルコーナーにて1500Wを体感
各種の家電製品が置かれたライフスタイルコーナーにて1500Wを体感

 体験ブースでは、一見すると家庭内のリビングのような空間が設置されており、そこには各種の電気製品がある。小野氏が、配電盤からの電流をOFFにする。それまで灯っていた照明が暗くなり、ぞれぞれの電気製品も停止する。つまり停電状態になったわけだ。

 すぐに「停電が発生しました」のアナウンスが流れ、室内のパネルに「停電です、自動運転を開始しますか」の文字が表示された。小野氏が「はい」のボタンを押す。

 しばらくすると明かりがつく。パワーコンディショナーにつながれたアウトランダーPHEVから送られてきた電力に切り替えた状態だ。

 各電気製品で使用されている電力量は、デモ用のパネルに刻々と表示されている。その数字は小刻みに上下を繰り返す。

「電気製品が使う電力量は絶えず変化するので、数字はこのように絶えず上下します。例えば今は全部で300Wを使用していますが、ここで、電子レンジのスイッチを入れてみます」(小野氏)

 小野氏が電子レンジのスイッチを入れると、数字が1700Wまで跳ね上がった。しかしすぐに1500W以下に安定する。

「電気製品は使い始めにドーンとワット数があがりますが、しばらくすると下がって安定していきます」(小野氏)

 冷蔵庫やテレビを付けてもアウトランダーPHEVはへこたれることなく電力を供給し続けた。家族4人分の携帯電話の充電、さらに電気毛布を使っても大丈夫だ。コーヒーを飲むためにコーヒーメーカーのスイッチを付けても難なく作動した。

「アウトランダーPHEVが供給する1500Wがあれば、停電になっても家族4人が普通に家庭で生活することができるってことです」(渡辺氏)

「アウトランダーPHEVの充電がなくなればエンジンを回して発電します。ガソリンが満タンの状態であれば、最大10日間、1500Wの電力を供給し続けることができます」(小野氏)

「このデモを見て分かる通り、1500Wというのはちょうどいい、ほどほどの数字なんです。1000Wじゃ足りないし、2000Wでは多すぎるのかもしれない。ほどほどの1500W、ここから逆算してアウトランダーPHEVのスペックを作ったのでしょうね。実に上手い想定だと思います」(渡辺氏)

次ページ 被災現場では車は必需品となる