PHVとPHEVの違いって知ってますか?
「僕が注目するアウトランダーPHEVは、日本で初のプラグインハイブリッド車です」(渡辺氏)
話を整理するために、まずハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車の違いを充電の観点から簡単に説明しよう。トヨタ自動車の「プリウス」を代表とするHVは、基本的にはエンジンで発電機を回して発電している。このため、HVに搭載しているバッテリーには、外部から充電することはできない。
一方、プラグインハイブリッド車の場合は、外部からの充電が可能だ。家庭の100Vコンセントや街中にある「充電スタンド」で電気をバッテリーに供給できる。
そしてプラグインハイブリッド車というカテゴリーに分類される中には「PHV」と「PHEV」と呼ばれるものがある。この違いはどういったところにあるのか。
結論から言えば、技術的に大きな違いはない。トヨタの「プリウスPHV」とアウトランダーPHEVが現在のプラグインハイブリッド車の双璧だ。これまでの開発の歴史から、両社の考え方の違いが呼称に反映されている。
「トヨタのプリウスPHVは、どちらかというとハイブリッド車に近いイメージです。だからHVの前にPをつけたPHVという呼称を使っています。一方で三菱のアウトランダーPHEVはどちらかというと、電気自動車に近い。だからPHEVと呼んでいるわけです。どちらが優れている、というのではないのですが、プリウスの方はハイブリッドエンジンの補完として電気モーターを使い、アウトランダーの方は電気モーターの補完として内燃エンジンがある、という感じです」(渡辺氏)
小野氏がアウトランダーPHEVの実力を説明してくれた。
「アウトランダーPHEVはフル充電の状態からモーターで60㎞の走行が可能です。そしてバッテリーに溜まった電気を使い切るとエンジンが回って発電し、これをいったんバッテリーに充電し、モーターの駆動に使います。そういう意味で、渡辺さんがおっしゃったように、アウトランダーはハイブリッド車より、電気自動車に近いイメージです。もちろん、ガソリンエンジンで走りたいというユーザー様の要望にもお答えできるように、モーターではなくエンジンだけで走るモードを選択することもできます」
フル充電で60㎞の走行。通勤や日常的な買い物であれば1日にこれだけ走れば十分だ。朝家を出て、夜に帰ってきて充電する。これを繰り返せばずっとガソリンを使わない自動車生活も不可能ではないのだ。

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