仮想と現実で精度を高める

「炉内に投入するロボットや機材を実際に稼働させる前にこちらのVR空間で稼働させる。同時に試験棟では積み木や配管などで凸凹を再現し、そこでの実験もする。仮想空間と現実空間で情報をやりとりしながら、より精度の高いものへともっていくということです」(小島氏)

試験棟に用意された積み木や配管のモデル

「私もVRゲームの開発などに携わっているのでヘッドセット式のVRシステムは何度も体験しているのですが、壁に画像を投影するこちらのタイプはさらにスケールの大きなリアル感が体験できますね」(渡辺氏)

「廃炉作業に投入する各種ロボットは一つひとつがとても高価なものです。壊さないように操作するにはそれなりの技量が必要となります。まずは仮想で練習して、その後、リアルで訓練し、次の段階として現場に出る、といった使い方ですね。またロボットそのもののデータをVR空間で再現し、どれだけハードな使い方をすれば壊れるかなどの仮想実験も視野に入れています」(小島氏)

 地震と津波の影響で、実際の現場は瓦礫が散乱した状態だ。そうしたリアルな現実を再現するために試験棟には様々な積み木や配管、階段やキャットウォークのモックアップが用意されている。

試験棟。縦80メートル、横60メートル、高さ40メートルの巨大な施設

 試験棟はその名の通り、さまざまな試験を行うための施設だ。実物大のモックアップで作業を再現するためにこれだけの規模となっている。

 今後はさらに各種のモックアップを搬入する可能性がある。その重量に耐え得るよう、床のコンクリートの厚さは2メートルだ。通常は30~40センチメートルなので、どれだけ厚いかがわかる。

説明する小島氏と聞き入る“防災の鬼”渡辺氏