首都直下地震などが起きたらどうなる?

「首都直下地震などが起きて、もし千代田区にある御社の本社ビルが使えなくなったような場合はどういうバックアップが用意されているのですか」(渡辺氏)

「その場合は200人からなる本社のスタッフは、東京都立川市の『本店代替防災施設』に移動します。そこで災害の情報収集や復旧活動を統括・指揮することになっています。そちらの建物は基礎部分に積層ゴムを入れたいわゆる免震構造になっており、国が発表した立川断層の長期評価より想定しているマグニチュード7.3、震度6程度の地震動で評価しても問題ないことを確認しております」(堀内氏)

「指揮・監視の本部が無事でも、大きな揺れが起これば各地で送電線が切れたりの被害が想定されます。となると東京電力の持つ発電施設だけでは電力をまかない切れないことが考えられます。そんな場合はどうなるのですか」(渡辺氏)

「どこかが切れても別のルートで送電できるように、送電網は網の目のように複数用意しています。また、例えば東京電力以外の電力会社から電力を融通してもらうこともあります。しかし、東日本と西日本では電力の周波数が違います。そのために融通できる電力には現在120万kWという制限があるのですが、2020年度を目標にさらに90万kW増強するために新信濃変電所の設備増強工事を実施します」(堀内氏)

 取材を終えた渡辺氏がこんな言葉をつぶやいた。

「東京電力パワーグリッドの中央給電指令所が入っているビルは耐震化が完了している。もし大規模災害でこちらの施設が使えなくなった場合は、立川市にあるバックアップ施設が機能する手はずになっている。立川の施設は免震構造になっているので少々の揺れには耐えられる。365日24時間バックアップしている。ただし新座の火災事故でもわかったけど、災害はいつも想定をこえるもの。我々一人ひとりが備えておく必要がある。

 そして電気は復旧が早い、電気は安全、という印象が強いけど阪神・淡路大震災時に発生した『通電火災』を解決するために電力会社は『感震ブレーカー』を事業者負担で全世帯設置にまでいたっていない。ガス事業者は、基本的に危険物を供給しているという姿勢があり、ガス会社負担で全世帯に『マイコンメーター』を設置している。この地震対策についての基本的な企業姿勢の違いがみられますね。

 それにしても、東京電力の最重要な中枢施設が入っている施設にしては、入構時にボディチェックや金属探知機もなく、ガードマンのチェックだけ。ちょっと危機管理的には問題があるかな、率直な印象です」

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。